『加奈子 悪夢の証書』
 
                 Shyrock:作
第19話(最終話)


 (ズンズンズン!)
(ヌュッチュヌッチュヌッチュ!)

 「あぁぁぁぁ~~~・・・いやぁ~!はぁはぁはぁ~・・・やめてっ
・・・お願い・・・よしてぇ・・・あああああっ~~~・・・」

 前屈騎乗位になった加奈子を背後から挟み込んで、園木が激しく攻め
立てる。
加奈子の置かれている状況はまさしく『前門の虎 後門の狼』であった。

 初めのうちは、阿久原と園木はバラバラな動きをみせていたが、まも
なくふたりは呼吸を合わせ始め加奈子への突き込みはほぼ同時になされ
た。

 「1、2、3、4~~~!」
「それそれそれ、それ~~~っ!」

 それはいつしか4拍子に変わり、4拍目に強くそして深く挿入された。
加奈子もそれにつられるかのように、
「あっ、あっ、あっ、あ~~~っ!」
4拍目の喘ぎが大きくなっていた。

 太い肉棒が前後からふたつの壷を抉る。
菊門への挿入に初めは顔をしかめていた加奈子であったが、いつしか頬
に紅が差し、喜悦の声すらあげ始めていた。

 前後から二本挿しされるという、かつて体験したことのないセックス
に次第に溺れ、悦楽の園へと足を踏み入れようとしていた。

 本来、聡明で冷静沈着な加奈子をこうまで淫らな女に仕立て上げたの
は、多分に媚薬の影響が大きかった。
憎き男たちを相手にして何故にこうまで燃えるのか、加奈子自身も不思
議でならなかった。

 だがすでに理性では抑えきれない強靭な魔力がそこには介在し、加奈
子を虜にしようとしていた。

 男たちの競演は約20分続き、加奈子は激しい昂ぶりに見舞われてい
た。
男たちもまたまもなく終焉を迎えようとしていた。

 (ズンズンズン!)
(ヌュッチュヌッチュヌッチュ!)
「あ~~~っ!いやぁ~~~~~~~~~~!!あぁ、もうだめ~~~
っ!!もう~~~~~~~~・・・・・・!!」

 「はぁはぁはぁはぁ~」
「ふぅふぅふぅふぅ~」
「あぁぁぁ~~~・・・身体が熱い~・・・燃えるように熱い~・・・」

 「奥さん、ぼちぼちイク前兆みたいやな。がはは~、イキたなったら
いつでもイッてええんやで~。」
「うううっ・・・オレも・・・これだけ締め付けられたらもう持たない
かも~・・・」

 (ズンズンズン!ズンズンズン!)
(ヌュッチュヌッチュヌッチュ!)
「あ・・・ああっ・・・あああっ~・・・イキそう、あぁっ、イキそう
~!」

 「おおっ!こらぁ、一番ええ瞬間やなぁ~!奥さんのイク顔見せても
らうで~!」
「くっ!オレ、後だから見えないや~!ううっ!いや、それどころでは
・・・」

 (ズンズンズン!ズンズンズン!)
(ヌュッチュヌッチュヌッチュ!)
「いやぁ~~~~~~~~~~!!イっちゃう、イっちゃう~イっちゃ
う~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」

 「ううぉ~~~~~~~~~!!オレも我慢の限界だ~~~~~~!
!」
「一番最後になってしもたけど、ぼちぼちわしも・・・」


 男女混声の三重唱がついにエピログを迎えた。
だがそれは長い舞曲の第一楽章に過ぎなかった。
加奈子の艶やかな声はいつ果てるとも知らず、広い和室にいつまでも響
きわたっていた。

(完)