『恵 快楽出張』
 
                    Shyrock:作
第8話


 絶頂到達が指の愛撫によるものであったとしても、ひとたび桃源の味を知り染めた
女性が、さらなる悦楽の波を躱すことは容易ではなかった。
 
 蜜壷は三谷の指技によって、とろとろに蕩けてしまっている。
いきり立った肉棒が蜜壷を捉えた。
クチュッと言う淫猥な音が聞こえた。

 「あぁっ……」

 喉の奥から少しかすれた声が漏れた。

 (グチュッ、グジュジュ~……)

亀頭を挿し込んでしばらく惠の様子を窺っていた三谷は、さらに腰を深く沈めた。
幹の半分ぐらいが埋没した。

 「あぁ、だめっ……いやっ……あぁ、だめっ……ああっ!あぁぁぁぁぁぁぁ~~~
~~~~~~~~……!!」

 (ズンズンズン!ズンズンズン!)

 「あぁ、す、すごい……ああっ……はふぅ~……ああああああっ!!」

 (ズンズンズン!ズンズンズン!)

 いつしか惠は海老のように身体を丸くさせられ、その上から三谷が体重をかけるよ
うに肉棒を挿し込んできた。
屈曲位である。

 正常位のバリエーションではあるが、一般的な正常位よりも深く結合できる特徴を
持つ。
三谷は惠に覆い被さるような姿勢になっているが、惠に体重がかかりすぎないように
両手でうまくバランスをとっている。

 女性は男性のこういった配慮に気づくことは少ないが、『できる男』は女性の見て
いない場面でも、このような細やかな気遣いをごく自然に行っている。
しかし利発な惠は昂ぶりのさなかであっても、三谷の気遣いをすでに見抜いていた。

(ズンズンズン!ズンズンズン!ズンズンズン!)

「あぁ、あぁ、あぁっ!あぁ、あぁ、あぁぁぁぁぁ~……」

 いくら男性がかばっても、屈曲位が女性の腰に負担がかかる体位であることには変
わりはない。長時間に及ぶと女性の腰に疲労が溜まってしまう。
三谷はいったん動きを止め、仰向けになっている惠を起こした。
逆に三谷が仰向けに寝転び、惠を招いた。
騎乗位への転換である。
 
 惠はもう拒まなかった。
三谷に誘導されるがままに、彼の怒張したものがそびえる腹部に乗った。
 
 (ズニュッ……)
 
 「あぁっ……」

 惠はゆっくりと腰の上下動を開始した。

 (ヌッチュ、ヌッチュ、ヌッチュ、ヌッチュ~)

 「あぁぁぁ~……深く入ってるぅ~……あぁぁぁぁぁ~~~……」

 (ヌッチョ、ヌッチョ、ヌッチョ、ヌッチョ~)

 「はぁぁぁぁぁ~~~……あぁ~ん~……あぁ、あぁ、あぁ……あぁぁぁぁぁぁ~
……」

 (ズンズンズン!ズンズンズン!ズンズンズン!)

 惠は腰をなまめかしく揺らし嬌声を奏でる。
動きもいつしかダイナミックに変わっていた。
その姿はまるでツービートで舞う踊り子のように見えてくる。

 三谷の動きが急に激しさを増した。
下からの突き上げは、腹筋を駆使し、捻じ込むような動きに変わっている。
これには惠もたまらなくなったのか、髪を振り乱し激しく喘いだ。
身体がガクガクと揺れている。

 惠は感極まったのか、突然身体を前屈させてしまった。
顔が接近したことで、三谷が惠の唇を奪った。
接吻・・・。

 だが、ふたりの腰の動きはとどまるところを知らない。
密着しても騎乗位のままで激しく揺れている。
三谷の腕は惠の背中に回っている。
キス、キス、キスの雨……
弾け飛ぶ理性……
深い結合…… 
激しいバイブレーション……

 そして次第に押し寄せてくる高波……

                

   この作品は「愛と官能の美学
」Shyrock様から投稿していただきました