『放課後の憂鬱』

                               ジャック:作
第8章「無邪気な悪魔・後編」(3)

 秋の声だ。藍はハッとして、
「あっ、も、もうちょっとかかるから、ま、待っててよ!」と答えた。が、秋は待てな
いらしく、「じゃあ、一緒に入ってもいい? 今日は早く寝たいんだ!」と言った。

 藍は慌てた。
「だっ、だめよ。だめだってば!」
「なんでー? いいでしょ? 別に。前は一緒に入ったじゃない!」秋はもう脱衣所で
服を脱いでいる。

 藍は慌てて洗面器にお湯をすくい、股間にかけた。泡の流れた後に、いかにも中途半
端な剃り跡があらわれた。片側の一部だけが陰毛がなくなっていて、余計にヘンだった。
(あぁぁ! まずい、秋に見られる!)
秋は風呂のドアを開けると、すぐに入ってきてしまった。
「もう、おねーちゃん、のんびりなんだからぁ! なにしてんのよ。・・あっ!」

 藍は秋が入ってくるのと同時に股間を手で隠していた。が、秋は見逃さなかった。
「おねーちゃん?・・」
秋は、股間を手で隠しもじもじしている藍に聞いた。
「なっ、なによ?」
「おねーちゃん、カミソリなんか使って、なにしてんの?」

 「な、なんでもない。なんでもないよ・・」
「なんでもないって、ちょっと見えちゃったもん。どこ剃ってるのよ。ヘンなの。」
「しょ、しょうがないのよ・・今度撮影で・・」
「じゃあ、別に隠すことないじゃん。・・ねぇ、おねえちゃん、見せてよ。」

 「やっ、やだよ。」
「いいじゃん、見せてよ、み・せ・てっ!」
秋はますます面白がって、股間をしっかりと隠す藍の手を掴んだ。
「や、やめなさいよ、ねっ。やめてよ。」

 藍は隠さなければならないため、手に力が十分入らなかった。秋はあっという間に藍
の両手を股間から離すと、左右に広げて覗き込んだ。
「あ~っ、おねーちゃん、ヘンなの~。ヘンなとこ剃ってる~・・」
藍は泣きそうな顔で秋に言った。
「う、うるさいなぁ・・だって、だってしょうがないじゃん・・仕事なんだから・・」

 秋はまじまじと藍の股間を凝視している。
「ちょっとぉ、じろじろ見ないでよぉ。ねぇ。」藍は恥ずかしくなってそう言った。
「へ~、おねーちゃんのココって、こんななんだ~。」秋は平気な顔で、藍の股間を指
で触った。
「あっ! なにするのよ。やめてったら。・・・ちょっと、秋ったら、やめなさい!」

 藍は真っ赤になって秋を注意した。秋は一向に平気な様子で「おねーちゃん、かわい
ー。なに照れてんのよ。姉妹じゃない。・・・でもさぁ、ちゃんと剃れてないよ。」
藍の陰毛はまだ3分の2以上残っている。

 「おねーちゃん、下手だなぁ。あたしの方がうまいよ、きっと。あたしが剃ってあげ
る。ねっ? やらせて!」
「やだっ! やめてよ。秋! だめだってば!」
秋はカミソリを取り上げ、その手を後ろに廻して藍から隠してしまった。
「秋っ、返して!・・・カミソリ、返してよぉ」

 「だってこれじゃヘンすぎるし、おねーちゃん下手だから大事なとこ、切っちゃうか
もよ。」
「そ、そんなことないもん・・」
「ほら、やってあげるって。さ、座って、座って。」

 藍は秋があまりしつこいので、観念して座った。
「足、広げてよ。・・・なに恥ずかしがってるのよぉ。ヘンなおねーちゃん。もっとだ
って。」藍は恥ずかしかったが、しかたなく足を大きく開いた。
「じゃあ、剃るよ。」

 秋はシェービングクリームを藍の股間にたっぷりと塗った。
「ひぃぃ!」
藍の股間に冷たい感触が走った。
そして、カミソリを持った秋の手が藍の股間に迫った。
(・・・あぁぁ、やだよぉ・・)

 秋は、そんな藍の気持ちに構うことなくカミソリを当てた。
 ジョリ、ジョリ・・
秋は楽しそうに藍の陰毛を剃っている。
藍は、はじめの内はカミソリを当てられている自分の股間をじっと見ていたが、やがて
目をつぶり、首を横に向けてしまった。

 「ちょっとぉ・・おねーちゃん、動かないでってば!」
「もっと、足広げてよっ! それじゃチャンとできないよ」
屈辱・・・屈辱とはこんな気分なのかな、と、ふと藍は思った。
藍は今、秋に支配されている。秋の言うとおりしないと傷つけられるかもしれない・・
でも、それだけではなかった。自分の一番恥ずかしい部分をさらけ出し、しかも身動き
できない・・

 藍の頭に、また昨日の真里とのことが浮かび上がった。
身動き一つできず、少しの抵抗も許されず・・・自分の一番恥ずかしいところを、好き
なようにされている。
藍の目の前にいるのは、藍にとっては秋ではなかった。藍は「だれか」に辱められてい
るのだった。

 「おーわり。」
秋はそう言うと藍の股間にお湯をかけ、残りのクリームを洗い流した。
流れてゆくクリームの後、姿を現したのは、まるで子供のようなつるつるした股間だっ
た。しかし、性器は発達し妙にアンバランスだった。
(あぁぁぁ! なにこれ・・)

 陰毛すべてを剃るつもりはなかったのに・・きれいになくなっていた。藍は恥ずかし
さに真っ赤になった。
「どぉ、おねーちゃん、きれーに剃れたでしょ?」
秋はニコニコしながら言った。

「なっなんで全部剃っちゃうのよぉぉ! バカッ。もう、やだぁ・・」
「だっておねーちゃん、なんにも言わなかったじゃん。」
藍には、今の秋の邪気のない声が悪魔の声に聞こえた。
「もう! 先に出るよっ!」

 藍は怒った様子でもう一度シャワーを浴びると、風呂場から出て行った。
「ふ~んだっ!・・せっかく剃ってあげたのに、なに怒ってんのよ。」
秋は湯船につかりながらそう言って、藍の出て行く様子を面白そうに見ていた。

 藍は風呂場のドアを閉め、脱衣場で体を拭こうとした。が、すぐに動作が止まった。
(・・あっ!・あぁ・で、出てる・・・)
藍の股間から一筋の愛液が垂れていた。
藍はなぜ自分が濡れているのか、よくわからなかった。


              

    この作品は「ひとみの内緒話」管理人様から投稿していただきました。