『哀奴まどか』

                             イネの十四郎:作
第1章 堕 る (1)


 あの日から一週間も経たない内に、私はご主人様に身も心も完全に支配されてしま
いした。

 ご主人様は毎晩私の寝室を訪ねられ、私を様々に愛撫して下さるのです。
もちろん私は全裸になって、ご主人様のおいでになるのを待っていなければならない
のです。

 最初の内こそ、私もご主人様の身体をいろいろとお慰めしたのですが、ご主人様は
ご自分の身体に触れられるのは、余りお好きでないようです。
2~3日も過ぎると私は、柔らかい綿のロープで手足を固定され、一つの抵抗も許さ
れず、ご主人様の気の向くままに弄ばれ、責められることになったのです。


 あの洗濯バサミは、ご主人様のお気に入りになってしまいました。
毎晩のように私を飾る、赤い小さなプラスチックの装身具に、何度涙を流したのでし
ょうか。

 最初は単純に、私の乳首に取り付けるだけだったのです。
でも直ぐに、私が耐えられないように、いろいろと工夫されるようになられたのです。


 まず、私が声を出せないようプチタオルかハンカチを、口の中に詰められます。
そうした後、取り付けた洗濯バサミを強く引いたり、私が拘束されて自由にならない
体を捩り、脂汗を流すまで捻り廻されたりされるのです。
私は必死にイヤイヤと首を振り、涙を溜めた目で許しを請うしかないのです。


 ある時は、始め縦に噛まされた洗濯バサミを一旦外されて、直ぐに今度は横向きに
噛まされたのです。
ご存知でしょうか、乳首に食い込んだ洗濯バサミは、外される時に強烈な痛みをもた
らすのです。
その疼きが消えぬ間に、直ぐに別の向きに噛まされる時の激痛は、本当に耐えられる
ものではないのです。

 その日は、4度も5度も、続けざまに噛まされては外され、外されては噛まされた
のです。
私はタオルで塞がれた口から、くぐもった悲鳴を上げ続け、やっと許して頂けた時に
は、私の乳首は真っ赤に腫れ上がっていたのです。


 そしてあの日――いつものように、ベッドに縛り付けられるのではなく、後ろ手に
拘束されただけで――私は、気を付けの姿勢を取らされていました。

 ご主人様は隠し持っていた洗濯バサミを見せて下さいました。
それはご主人様によって、実に残忍な責め具に変身していたのです。

 まず私の小さな乳首を挟む、あのワニ口の部分に、何重にも輪ゴムが巻き付けられ
ていました。
更に握り拳ほどの大きさの石が、糸で洗濯バサミに取り付けられていたのです。

 そのままでも、あれほどの激痛を与えるバネなのです。
それを何倍にも強力にする仕掛けを施されて、あれで挟まれたらきっと潰れてしまい
ます。
その上、あの石の重さで引張られるのです。

 私は想像するだけで、ガタガタと震えだしてしまいました。

 アラ、まどか・・嬉しそうネ・・・
そんなに喜んで貰えるなんて、今日ズット考えてた甲斐があったわ・・・
そんなに催促しないの・・直ぐに付けてあげるから・・・

 違うのです。
怖くて震えているのです。
でもそんなことは、ご主人様は見通しておられるのです。

 ご主人様は焦らすように、私の乳首を撫でたり擽ったりしながら、遊んでおられる
ばかりでした。

 何時、あれが使われるのだろう・・何時、私に噛みつくのだろう・・

 私は不安と、そしてホンの少し期待の入り混じった気持ちで、机に置かれた洗濯バ
サミを見つめるばかりでした。

 フフフ・・欲しいんでしょ・・早く苛めて欲しいんでしょ・・・
だったら、チャンとおねだりしなさい・・・
「まどかは、悪い子です。お仕置きして下さい」って・・・
言わないと、このまま帰るから・・・


                

  この作品は、”ひとみの内緒話”管理人様から投稿していただきました。