『義姉さんは家庭教師』

                          二次元世界の調教師:作
第2話 義姉さんの誘惑


 外国では恋仲でなくても普通にキスしたりするんだろう。
春美義姉さんは才媛で、学生時代海外に長期留学していた経験もあると聞いている。
それにセレブな社長夫人となった今も、外国の人との付き合いがある筈だ。
ならば春美さんが親しい人間にキスする習慣を持っていても不思議ではない。

 まるで母親が男児にするようにごく自然なキスは、彼女にとってその程度のものだっ
たのではないか。
だけど、思春期を迎えて以来初めて女の人の唇で頬に触れられた僕にとっては、春美さ
んのそんなイタズラっぽい行為は凄まじく衝撃的で、一気に血中のアドレナリンが沸
騰した。

 やはり春美さんにとって軽いキスなど大事ではなかったようで、コービーブレイクの
後は何事もなかったかのように数学の講義が続いたのだけれど、お察しの通り血が上っ
た僕の頭には悲しいくらいに何も入らなかった。
ただもう女神様みたいに美しく魅力的な春美さんに面と向かって座り、彼女と同じ空気
を吸っていると思うだけで幸せだった。

 時々チラチラと彼女の完璧な容姿を覗き見しては美形の顔に恍惚となり、けしからぬ
事に透けて見える乳首やタイトミニから覗けている人妻らしくミッチリと肉ののったス
ベスベの太股に、暴発寸前まで股間を猛り狂わせていたのである。

 こうして本当に夢のような時間が過ぎて春美さんが帰って行くなり、僕は無我夢中で
自瀆行為を始めていた。
もうSM緊縛写真も必要なく、脳裏にクッキリと焼き付いた春美さんの悩ましい姿や頬
に残る唇の感触だけで十分。

 いや、僕を見つめる春美さんの優しい眼差しの記憶やこの部屋に漂う大人の女性らし
い上品な残り香だけでも僕のペニスは猛烈に欲情し、二度、三度と驚異的なペースで大
量の射精が訪れていた。
一体、僕の体はどうなってしまったのだろう。

 いや、僕には断言出来る。
あんな素敵な美女にキスされて奮い立たないような男はいるわけがないのだ。
若くて最も盛んな時期の性欲を宅浪生活で鬱屈させていた僕にとって、誘惑してるみた
いな義姉の春美さんは刺激的過ぎる。

 彼女がまるで気に掛けず際どい服装で、キスまで仕掛けて来たのは大きな問題だ。
恐らく春美さんは一回りも年下の僕を子供みたいに思ってるのではなかろうか。
確かに僕は女の子と口も利けない半人前だけど、たぶん嫌らしい体の性的欲求だけは大
人より激しいと言うのに。

 まるで発情した獣みたいに苛烈な欲情はその後何度もぶり返して僕を懊悩させ、親の
目を盗んでは見境なくシコシコ励まないではいられなかった。
明日はテストがあると思い今日習った事を復習しようと勉強机に向かっても情けないく
らい集中出来ず、いつの間にか春美さんを想いながらズボンの中を握り締めている有様
だったのである。

 次の日、この所恒例となってしまった春美さんの来訪直前にSM雑誌で性欲を発散し
ている時には、僕はもう無駄な努力を放棄していた。
僕の好きなコスプレで緊縛されているモデルが春美さんなんだと妄想して、サルのよう
に何発も抜いたのだ。
特にこれまであえて避けていた、黒スーツを着た女教師のグラビアが良かった。

 その豊満な体中に着衣の上から縄目を喰い込まされ、胸と股間に大人の玩具を仕込ま
れてウットリと恍惚の表情を浮かべる彼女の頭を抱え込んだ男が、口に性器を突っ込ん
でいるお気に入りのSMグラビアだ。
春美さんにそんな破廉恥な行為をさせていると妄想した僕は、とうとうその写真に向か
ってブシャッと精液を掛けてしまった。

 そしてその日やって来た春美義姉さんは、やっぱり昨日同様の露出過多ではしたない
服装だった。
着衣SMの緊縛グラビアモデルより過激で扇情的だと、彼女に熱を上げてしまっている
僕は思った。

 お嬢様育ちでセレブな社長夫人である人妻が、こんなにセクシーでいいのだろうか。
もっともそれは親しい家族にだけ見せるラフな格好でもあるわけで、客観的に見れば僕
の意識過剰なのだろう。

 そして春美さんに対して欲情してしまう事を抑える努力を放棄した僕は、向かい合っ
て座った彼女をチラ見してたちまち浅ましい勃起を回復させる。
どうせ我慢しても無駄な抵抗であるのは学習ずみだ。

 ーー春美さん、乳首が勃ってますよ! それに、パ、パンツが見えちゃいました。人
妻のくせに、白だなんて反則です……

 それは僕の願望が見せた目の錯覚では決してない。
確かに春美さんは胸のポッチリをツンと薄手のシャツから突き出させ、いつになくだら
しなく崩した脚の付け根の三角地帯から白いものがバッチリ見えたのだ。
いくら無防備と言ってもこれはないだろう。
やはり理由は不明だが、春美さんは大胆な振る舞いで僕を誘惑しようとしているのだ。

 早速始まった昨日の復習テストなんか、もちろん出来るわけがない。
実は密かに期待していた「ご褒美」もお預けだ。
だけど呆れたような口調で春美さんが「お仕置き」をほのめかした時、僕は電流に撃た
れたようにゾゾッと興奮が込み上げて来るのを感じていた。

 「どうしたのかしら? 真面目に復習してないでしょ、イケない子ね。後で春美がお
仕置きしてあげる、うふふ……」
春美さんが自分を名前で呼び、意味深に色っぽく笑うなんて始めてだ。
「お仕置き」が姉弟の間では許されない、性的なものなのではないかと僕は直感したの
である。

 そしてその直感は正しく、又コーヒーブレイクの後判で押したように母さんが家を空
けると告げた後、春美さんは信じられないような「お仕置き」を実行に移して来た。
「約束通り、お仕置きですからね。今から私の言う通りにするのよ、わかった?」
「は、はい」
「目をつむって、両手を背中に回して」
「こ、こうですか……春美さんっ! 何をするんですか!」

 心臓が爆発するくらいドキドキしながら言われた通りにすると、春美さんがこちらに
やって来る気配があり、まさか、と思っていたらガチャリと音がして冷たい金属の感触
が背中で組んでいた両手に。
手錠を掛けられた事に気付いた僕は大いにうろたえて目を開け抗議しようとしたが、そ
の口は春美さんの唇で易々と塞がれてしまったのである。

 「目をつむってなきゃ駄目でしょお」
「……やめて、ください……」
「言う事聞けない子には目隠しも必要かな」

 情けないけど強引に奪われてしまった僕のファーストキス。
それを憧れだけど絶対に許されない義姉さんと交わしてしまった僕は、罪悪感と裏腹に
凄まじい興奮に包まれてしまい、春美さんの柔らかい唇から解放されても弱々しく「や
めて」と口にするのがやっとだった。

 そして目を開けてもやっぱり美しし過ぎる春美さんと目を合わせるのが気恥ずかしく
て目を泳がせてしまう。
すると春美さんは真っ黒な手拭いみたいな丈夫な布で、僕の目をグルグル巻きにして塞
いでしまった。

 「だ、駄目です、義姉さん。変な事、しないでください……」
「ウソばっかり。素直にならなきゃ駄目よ、雄二くん。春美とエッチしましょ、いいわ
ね?」

 ーーこ、こんなのウソだあ! だけど、体が痺れたように動かない……

 手錠を掛けられたと言ったって、本気で抵抗すれば逃げる事が出来ただろう。
僕が口にしたように、義姉さんとエッチな関係を持っては絶対にいけないと本当に思っ
ているなら、当然拒否しなければいけなかった。

 なのに、生まれて初めて唇を奪われた僕は、全身がジーンと痺れたようになってうま
く体を動かせず、易々と目隠しまでされてしまうと、ますます逃げられない気分になっ
てしまった。

 いや、春美さんに言い当てられたように、僕は義姉さんとエッチする事を本当は望ん
でしまっていたのである。
動けないなんておためごかしで、動かなかったのだ。

 目が見えなくなり、床に仰向けで転がってしまった僕の耳元で、春美さんが囁く。
「雄二くんって、女の子とエッチした事あるの?」
ふるふる。僕は頭を振ってノーと返事する。そして春美さんは次の言葉を発する前にも
う僕の上着のシャツから脱がせに掛かっていたけれど、やっぱり金縛りにあったように
動けなかった。

 「嬉しいわ。もしかして、キスしたのも初めてかしら?」
「……はい」
「じゃあ、春美が教えてアゲル。雄二くんは大人しく横になっててね」
「駄目ですっ! ね、義姉さん……」

 正直な所口だけの拒絶をしようとしていた唇は再び柔らかい感触で奪われ、春美さん
はそのまま器用に僕の服を脱がせていく。
上半身が裸になった所で、フッと口が解放されたんだけど、次の瞬間僕は女の子みたい
な声を出してしまい真っ赤になったと思う。

 「アッ!」
「男の子だって感じちゃうのよ、ココ……」
何と春美さんの唇は、僕の乳首に被せられていたのだ。
柔らかいけれど弾力のある、まるで軟体動物みたいな感触が包み込む蕾を、さらにチロ
チロと舌が舐めしゃぶって来る。

 初めは何をされているのやらわからなかったのだけれど、春美さんの口唇が女の子を
愛するみたいに乳首を愛撫しているのだとわかると、ジワジワと甘美なものが込み上げ
て来て、僕は狼狽しカルチャーショックを覚えていた。

 ーーうう。乳首が感じるなんてあり得ない……だけど……凄くいいです、春美さん、
ああ……

 「気持ちいい? 恥ずかしがらずに声出しちゃっていいんだよ」
男の乳首が感じるなんて恥ずかしくて変な声が出そうなのを必死で堪えている事を春美
さんはお見通しだった。

 だけど優しい感触の唇が左右の乳首を交互にチュウチュウ吸って来ると、僕はもう夢
見心地となり、さらに手が耳元に掛かると、とうとう女の子みたいな声が出てしまって
いた。

 「ああっ!」
「目隠しされてると凄くいいでしょ? うふふ、正則さんと同じだわ、感じる所が一緒
ね」
兄ちゃんと比べると言うとんでもない言葉を口走る春美さんだったけれど、乳首舐めと
顔の側面を手で撫でる責めで僕の頭はボウッと桃色に霞み、ビクンビクンと体をおのの
かせるばかりになっていた。

 そしてその手が顔からボディーの側面をゆっくりとなぞるように降下する時も、くす
ぐったいのとゾクゾクする快感が相まって、僕はああ、ああ、と情けなく女の子みたい
な声が洩れてしまうのをどうしようも出来なかった。

 さすがにもう2年近く結婚生活を過ごしている春美さんは性の経験が豊富だ。
あんなに清楚なお嬢様のように見えても、童貞の僕に太刀打ち出来る相手ではなかった
のである。
こうして年上美女のエッチなテクニックで体の力が失われ、生まれて初めて味わう至福
に浸っていると、春美さんはいよいよ僕の下半身まで脱がせに掛かる。

 予想外の乳首の快感に押し流されて、と言いたい所だが、まるで抵抗出来ず大事な部
分が露出してしまうのを易々と許してしまったのは、この美しい義姉さんと一線を越え
ても構わない、と言う僕自身の秘めた願望を素直に解放した結果であった。

 パンツをずり下ろされる時、僕は拒絶するどころか腰を少し浮かせて協力し、信じら
れないくらい強烈に張り切ってドクドクと脈動し春美さんを求めているペニスが、外気
に晒される恥ずかしい快感を甘受していたのだから。

 そしてその欲情の塊を春美さんの柔らかく暖かい手がソッと握り締めて来た。
「凄いのね、雄二くんのオチンチン。大きいし、こんなに固くなってとても立派よ。素
敵だわ、ビクビクしちゃって、かわいい……」僕は普段完全に皮を被っている包茎だ。

 こんな事なら皮を剥いておくんだったか、と馬鹿な考えが頭を掠めたけれど、春美さ
んはまるで意に介さず猛烈な勃起ぶりを褒めてくれ、相変わらず乳首を舐めつつシコシ
コと包皮ごとしごいて来た。
僕のいつものオナニー方法と一緒で、正直言ってヤバい。

 感じるわけがないと思っていた乳首を口唇でレロレロと舐めしゃぶられる心地良さと、
自分の手よりはるかに繊細で吸い付いて来るような悩ましい手の感触に責められて、僕
はたちまち窮地に立たされていた。

「も、もう、ヤバいです。出てしまいそう……」
「あら、もったいないわ。ゴメンね、もう少し我慢して」
僕が弱音を吐くと春美さんの手はアッサリ離れてくれた。

 「もったいない」と言う言葉には、春美さんが僕を誘惑してエッチな関係に持ち込ん
だ驚愕の理由が隠されていたのだけれど……僕はいきなり暴発してしまう危機を脱して
ホッとするのと裏腹に、どうしても物足りなさを覚えてしまったのを否定出来ない。

 仲の良い兄ちゃんを裏切り義姉さんと体の関係を持ってしまうなんて、人して絶対に
許されない不道徳な行為であるのに、僕は肉欲に流される悪い男だった。
 
 「春美とエッチしてくれるんだよね? 雄二くん」
「はい……」
「嬉しいわ。目隠し外してあげるから、よく見てね」

 もう僕が言いなりだとわかって目を解放してくれた春美さんは、仰向けで横たわった
僕の横に着衣のまま立っていて、見せ付けるようにタイトミニを上げていく。
人妻のくせに清楚なイメージそのままの純白パンツも、春美さんのエッチな本性がわか
ってしまった今では却って嫌らしく思えて不思議なくらいドキッとしてしまった。

 「今日、パンツ見えてたでしょ。勉強するフリして、チラチラ見てたのわかってるん
だから。イケない子ね、雄二くんは」
それは明らかに春美さんの方がイケないんです、とは言えなかった。

 いつの間にか咽がすっかり渇いていた僕は、生唾を飲み込みながら完璧にエッチなお
姉さんと化した春美さんが服を脱いでいくのを凝視するばかりである。
「あん、イヤだ。急に恥ずかしくなって来ちゃったわ」

 僕に「よく見て」と言い、堂々と美麗な裸身を晒していった春美さんだけど、下着も
外して一糸まとわぬ姿になると、胸と股間を手で隠すポーズになっていた。
だけど想像以上に豊満な乳房はとても片手では隠し切れずにこぼれ落ちて、むしろ卑猥
に見えてしまう。

「どうかしら? こんなオバさんでもエッチしてくれるの? 雄二くん」
「オバさんだなんて……あ、あの、とても綺麗です、春美さん」
「ホント? お世辞でも嬉しいわ、ありがとう」

 お世辞だなんてとんでもない。
それは女の子の苦手な僕が必死に口から絞り出した本心だった。
まともに口も利けないのだから、女性の美しさを褒めるなんて出来るわけがないと思っ
ていた内気な僕は、自分を褒めてやりたい。
春美さんは僕の言葉にニッコリと満面の笑みを浮かべて喜んでくれたのだから。

 「ねえ、おっぱいが大きな女の人は好き?」
「は、はい。もちろん大好きです」
全裸を恥ずかしがっていた春美さんは、何と自分の大きな両の乳房に手を添え誇示して
見せていた。

 でも色白な顔が首筋まで真っ赤に上記しており、やっぱりそんな行為が恥ずかしいの
だ。
年上の美しい人妻が少女のように恥ずかしがっているのは正直言って反則だ。
どうして春美さんはこんなに無理してまで大胆に振る舞い、僕を誘惑してエッチを求め
て来るのだろう。

 理由は不明だが、春美さんのくびれまくったボディーに不釣り合いなまでに巨大な乳
房と、先端でツンと天を向きそそり勃っている乳首の眺めは、圧倒的な破壊力で僕を欲
情させて止まなかった。

 「もう少しだけ出しちゃうの、我慢出来るかしら?」
「何とか頑張ってみます」
「良かった! じゃ、じゃあね、春美がおっぱいでムギュしてあげる」

 ーーうわあ! ムギュ、どころじゃないぞ。春美さん、大胆過ぎます……

 春美さんは何と、後ろ手錠で仰向けになった僕の上に覆い被さるように体を合わせる
と百八十度回転し、豊かな双乳で勃起しまくりのペニスを「ムギュ」と挟み付けて来る。

 でも問題はそれではない。
当然ながら僕の顔面に、生まれて初めてお目に掛かる大人の女性のアソコが直に押し当
てられて来たのである。
シックスナインと呼ばれる性行為だと言う知識はあったけれど、予告もなく突然ど迫力
の女性器に襲われた僕は、完全なパニックに陥っていた。

 「はい、ムギュ、してパックンチョしたげるね。気持ちいい? まだ出さないでね」
「むう~っっ!!
「そうだ、春美のお○んこも舐めてくれる? 適当でいいから……アッ! 上手よ、雄
二くん、とても気持ちいいわ。アン、そこ、ソコお~っっ!!」

 きっとそれは春美さんの演技だったろう。
僕は初めて本物のおしっこ臭いアソコの匂いにクラクラしながら、ただ無我夢中にベロ
ベロ舌を出して舐めまくっていただけなのだから。
だけど優しい春美さんがエッチに感じてくれたと言うフリのよがり声は効果覿面に僕を
奮い立たせる。

 もう頭の血管が切れそうなくらいに興奮が高まり、おかげで柔らかいおっぱいでムギ
ュッと挟み付けられ、先っちょをカプッと口に含まれたペニスがたちまち暴発してしま
いそうなのを、渾身の力で耐えなければならなかった。
「さ、エッチしよ。春美のお○んこの中に、いっぱい出していいのよ」
「……だ、駄目です」

 ーーいいわけがないでしょう、春美さん。避妊しなきゃ、とんでもない事になるかも
……

 春美さんがいよいよ体位を変えて童貞を奪いに来ると、僕はビックリして拒絶するよ
りなかった。万一子供が出来たりしたら、一度の過ちではすまなくなるくらい僕にでも
わかる。
避妊具も付けず、兄ちゃんの奥さんの中に出してしまうなんて危険を犯してしまう程に
は、僕の理性はまだ崩壊してはいなかった。

 「あ、あのう、コンドームを付けないと」
「だからいいのよ。今日は安全日なんだから。それに雄二くん、そんな物持ってないで
しょ」
「やっぱり止めましょう。僕にはそんな事は絶対に出来ませんから」

 もう後一押しで出てしまいそうな状態で、春美さんの誘惑を振り切る事が出来たのは、
僕が童貞だったからかも知れない。
初めてと言う事で少なからず躊躇が生じて、獣欲に流される一歩手前で冷静さを取り戻
したのである。

 性行為に慣れていたら却って危ない所だった。
僕は手を拘束された体をうつ伏せにして、避妊具なしでのセックスを強く拒否する構え
を取る。

 それにしても……と僕は考えた。正直「安全日」についての知識はなく、本当に春美
さんが絶対妊娠しない時期なのかどうかわからない。
だから、「中に出していい」と言う春美さんを、とんでもない女性だと非難するのは早
計だろう。

 「残念だわ。本当に安全なのに」
「僕は兄貴を尊敬してるんです。それなのに、万一の事があったら……」
「わかった。やっぱり正則さんの弟だわ、立派よ。ますます好きになっちゃった」
「春美さん! う……」

 こんなに誘っているのに直前で拒絶してしまい、気分を害してしまったかと思った春
美さんが、うつ伏せになった僕の顔を強引に仰向かせ唇を求めて来た。
「ますます好きになった」と言う意外な告白に心を動かされずにはいられない僕もアッ
サリと口付けを許して、むせ返るように濃厚な春美さんの匂いと柔肌の感触に陶然とな
ってしまう。

 「今日はエッチしちゃうの諦めるけど、雄二くん出したいでしょ?」
「……はい」
唇を奪われている間に下半身をまさぐった春美さんの手には、まだしっかりとした勃起
を見せている肉棒のおののきが伝わっていただろう。
「出させてあげるから、春美も気持ち良くしてね」

 再びシックスナインの体勢を取らされた僕は、さっきより余裕を持ってどアップの女
性器を眺める。
気付いていなかったけれど春美さんは陰毛を綺麗に剃っており、人妻とは思えない綺麗
なピンクのアソコが丸見えだ。

 春美さんが巨乳に挟んで刺激したペニスを咽奥に当たるまでズッポリとくわえ込むと、
僕の方も下唇に口を付けた。
よく「唇」と表現されるけれど、実際上の唇によく似た形なんだなと実感しながら、左
右の唇の合わせ目付近で敏感そうなしこりを発見。

 これがたぶんクリトリスに違いないと思った僕は、その部分をよく舐めてあげる事に
した。
すると今度は先程のよがり声が演技だったとわかる、メチャクチャに色っぽい悲鳴を上
げてペニスを吐き出してしまう春美さん。

 ーーココが春美さんの弱点なんですね。イカせてあげますよ

 僕は嬉しくなってやり過ぎないように注意しながらクリトリスを重点的に責める。
春美さんは本気で悶絶し僕の顔を押し潰さんばかりの勢いでアソコをグイグイ押し当て
ながら、くわえ直したペニスをジュバッジュバッとディープスロート。

 しばらくして爆発した僕が口の中にタップリ精液を流し込むと、ほぼ同時に春美さん
も全身をビクビクと痙攣させる。
さらに口で後始末まで施してくれた春美さんがようやく腰を外してくれた時、僕の顔は
グショグショに濡れていたからきっと義姉さんも満足してくれたに違いない。

 こうして僕の童貞喪失は未遂で終わったのだけれど、又今度エッチしようね、とニッ
コリ微笑んだ春美さんが帰っていくと、僕は悩まずにはいられなかった。 

 ーーどうして春美さんは僕なんかを誘惑して、しかも中出しさせたがるんだ? もし
かして兄ちゃんと仲が悪いのか? まさか、そんなわけは……

 だけど夕食後、部屋で勉強も手に付かず悶々と考え込んでいた僕に電話が掛かる。
それは何と、今日間違いを犯してしまった春美さんの夫、つまり正則兄ちゃんからで、
偶然とは思えないタイミングに僕はひどく緊張した。

 「明日の朝9時にうちまで来てくれないか?」
「一体、何の用事だい?」
「すまない。だけど電話じゃ話せない大事な用なんだ」
「でも……」

 まさか、と思った僕が口にするより前に兄ちゃんの方から告げられた人の名に、僕は
眠れない夜を過ごす事になったのである。
「春美に関する事だ。来てくれるか?」
「……うん、わかった」
「今は話せないけど、決してお前に悪いような話じゃないから、安心して……」

 頭を鈍器で殴られたような衝撃の後承諾の返事をしてからは、兄ちゃんの言葉は何も
入らなかった。

              
    この作品は「新・SM小説書庫2」管理人様から投稿していただきました。