『義姉さんは家庭教師』 二次元世界の調教師:作 第1話 美し過ぎる義姉 ーー義姉(ねえ)さん、ハア、ハア……だ、駄目だ、どうしても義姉さんの事ばかり 考えてしまう 僕は、大きな勉強部屋の小テーブルに付いて、義姉さんがやって来るのを待つ間、ど うしてもムラムラと込み上げて来る衝動を抑え切れず、ズボンの中に手を入れて慰める 行為にいそしんでいた。 テーブルの上には参考書や問題集を用意してあるけれど、その上に隠し持ってるいか がわしい雑誌のグラビアを広げていた。 それは絶対誰にも知られてはならない類の物で、何しろ女子高生やナースなどの衣装を 着た女性が縄で縛られて、大人の玩具で責められながら男性器を頬張ってる、などと言 うSM写真なのだから。 僕は小学生の頃兄ちゃんが隠し持ってた変な雑誌を偶然見つけ淫らな緊縛写真に衝撃 を受けて以来、SMにとても興味があって、密かに持ってる雑誌はそんな内容の物ばか り。だけど母さんにでもバレたらタダじゃすまされない気がしている。とりわけ今は死 に物狂いで勉強してなきゃならない浪人生の身なんだから。 それでも僕は危険を冒してSMグラビアを鑑賞し、自慰行為に耽っている。 そうでもしなければ、頭の中に浮かぶ義姉さんの姿を汚してしまうに違いないから。 仲の良い兄ちゃんが僕のために家庭教師として寄越してくれた義姉さんに欲情してしま うなんて、人間失格だと思う。 だから僕は雑誌の中で縛られてる、若くてかわいいモデルの痴態を見ながら猛り狂う 肉棒をしごくのだ。 情けないけれど、家にこもって浪人生活を過ごしている内に、僕は嫌らしい性欲が日毎 に積もって一日に何度も発散しなければ我慢出来なくなってしまった。 ちょっと異常なんじゃないかと思うくらい、定期的に体の奥から欲情が込み上げて来 て気が狂いそうになるのだ。 そしてそれは間違いなく義姉さんの影響だ。本当に兄ちゃんも罪作りな事をしてくれた ものだ。 義姉さんと間違いを犯すなんて事を起こしてしまったら、兄ちゃんに申し訳ないどころ じゃすまないと思う。 この家から追放されても文句は言えない。 こうして日課のように義姉さんが来る直前にコソコソと性欲を解消してる僕だけど、 緊縛写真のモデルを見てる筈なのに、やっぱり義姉さんの事を考えてしまうのは困った ものだ。 雑誌のモデルもみんな若くてそれなりに綺麗な女の人なんだけど、ハッキリ言って義 姉さんとは勝負にならない。 義姉さんは今年三十の筈だけど、道を歩けば男がみんな振り返って見てしまうくらい完 璧な美人なのだ。 キッチリ切り揃えられたサラサラの黒髪ロングヘアに、黒目がちの大きな瞳。 鼻も口も耳も、顔のパーツはどれも特注品のようで非の打ち所がない。 絶対に考えちゃ駄目だと思ってるのに、気が付けば緊縛モデルの顔に義姉さんの美し過 ぎる面影を重ねてしまってる僕がいた。 そして着衣だけどボリューム満点とわかるモデルの体を鑑賞しながら、やっぱり義姉 さんの体まで妄想してしまう。 義姉さんはこの頃どんどん薄着になって来て、とそこまで考えた所でアッサリ射精が訪 れた。 ーーよし、ヤバいくらい沢山出ちまったな。これならオッケー、と僕は包茎ペニスの 包皮の中だけでは収まらず、飛び散ってしまった精液を始末し、SM雑誌を隠し場所に 戻してから、気持ちを鎮めて義姉さんを待つ事が出来た。 「雄二くん。ちゃんと宿題はやったの?」 「す、すみません……」 「どうして、そうなのかな? ちゃんとやらなきゃ、来年も浪人しちゃうわよ」 ーー義姉さんが来てくれるなら、それもいいかもな……バカ言ってるんじゃないよ! 「やろうとは思ったんですけど」 「全くもう! 雄二くんはやれば出来る子の筈なんだけどな」 ーーいや、やっても出来ないんですよ。兄ちゃんと違って、僕は馬鹿だから 部屋に入って来るなり責められた僕は、わざわざ勉強を教えにやって来てくれる義姉 の春美さんに、申し訳ない気持ちで一杯になった。 だけど仕方ない。 僕は本当に頭の悪い落ちこぼれで、特に教えて貰ってる数学はからっきし。 「やれば出来る」だなんて、義姉さんの買いかぶりに過ぎないのだから。 だけど兄ちゃんと比べて義姉さんが誤解してしまうのも無理はなかった。 僕は三島雄二。 この春見事大学受験に失敗し、自宅で浪人生活を余儀なくされている。 だけど僕だって普通の家庭に生まれていれば、今頃どこかの大学で自由なキャンパスラ イフを謳歌していた事だろう。 三島家の男子なら当然だと言われ、僕は東大を初めとする有名難関大学しか受けさせて 貰えなかったのだ。 10歳も年が離れた兄ちゃん三島正則は余裕で東大に現役合格を果たし、卒業してす ぐに三島グループ傘下の企業の社長に就任した、超エリートである。 三島グループは明治から続いてる大財閥で、兄ちゃんは父さんの後を継ぐ事が決まって いる、言わば御曹司なのだ。 幼い頃から家庭教師が付いて、小学校から東大進学を目指す受験校。 その甲斐あって若くして会社社長の座に治まり、三島家の跡取り息子と言う重責を全う しているわけだ。 そんな文句の付けようがない兄ちゃんがいるおかげで、次男の僕はごく普通の学校に 通って平凡な学生生活を送って来た。 高校だって落第する程ひどい成績だったわけじゃないけど、いざ受験となると並の大学 では許されず、浪人と言う困った立場に甘んじる羽目に陥ったわけだ。 あいつは出来損ないで、三島家の恥だの面汚しだのと心ない陰口を叩かれてるらしい、 とは兄ちゃんから聞いた噂だ。 ちなみに兄ちゃんは雲の上みたいな金ピカの経歴にも関わらず、10も年下の僕をよく かわいがってくれたし、話のわかる良い兄だ。 年が離れているし、僕の方も初めから出来が違うエリートの兄ちゃんに対して、嫉妬 や羨望などの悪い感情は一切ない。 恐らくはたから見れば意外なくらい、僕達は仲の良い兄弟だと思う。 三島一族の期待を裏切って浪人生となった僕だけど、優しい兄ちゃんの計らいでとて も良い思いをさせて貰っている。 それが今、僕に向かって「しょうがないわね」とお小言を述べている春美さんの存在だ。 彼女は兄ちゃんの奥さんで、僕にとっては義理の姉。 兄ちゃんは専業主婦で自由な時間のある春美さんを、僕専用の家庭教師に付けてくれた のだ。 「それじゃ、この問題のおさらいをしましょう。雄二くん? ちゃんと聞いてるの?」 「は、はい、もちろんです」 ーー義姉さん! 今日の服装とってもヤバいんですけど。ムネの谷間も、それにパン ツが見えそうです…… 「宿題」をやろうとしても出来なかった僕を叱ってから、小テーブルを挟んで向かい 合わせに座り、個人授業を始めた春美さん。 でも僕は夏が近付き日毎に薄着になっていく春美さんの悩まし過ぎる姿に圧倒されて、 まともに顔を上げる事すらはばかられる状態だった。 義姉さんは兄ちゃんより二つ年上。 やはり名の通った家柄で兄ちゃんとは見合い結婚だけど、家同士の関係があって断って はいけないお見合いだったようだ。 だけど義姉さんは年上でも完璧なルックスで、兄ちゃんが羨ましくなる程の素敵な女性 だ。 結婚前は自分の母校である、有名なミッション系の女子高で数学教師だったと言う正 真正銘のお嬢様で、だから兄ちゃんは数学が出来ない僕の家庭教師に付けてくれたのだ。 僕より一回りも年上なんて信じられない程若々しく、女優ばりの美形であるのは述べた 通り。 もちろん頭は凄く良いし、数学劣等生の僕に対しても、とても優しく懇切丁寧に教えて くれている。 今では義理の姉弟として気安く口を利いてくれる春美さんだけど、初めてうちに来た 時はお互いとても気まずかったのを覚えている。 そもそも僕はとても内気で、とりわけ女の子が大の苦手。 今でも彼女いない歴イコール年齢、と言うのを更新中だ。 対して義姉さんの方も本物のお嬢様育ちと言うのが納得のいく、ぎこちないくらいの 応対ぶりで、こんなに年齢が離れてるのにまるでお見合いでもしてるみたいだった。 実際僕の方はもう心臓がドキドキして破裂しそうなくらい舞い上がり、この美し過ぎる 義姉さんの一挙手一投足に胸をときめかせていたのだけれど。 そしてその想いは今も変わらない。 「それにしてもこの部屋熱いわね」 「そうですか?」 「雄二くんは熱くないの?」 「ち、ちょうどいいです」 「そう。ごめんね、一寸汗かいちゃったから」 ーーゲッ! こ、これは絶対に見ちゃいけないぞ。義姉さん、一体どういうつもりな んだ 今日の義姉さんはまるで真夏のような格好。 ノースリーブで薄手のシャツに、タイトなデニムのミニスカートと言う刺激的過ぎるお 姿に、僕はもう目のやり場に困るなんてものではなかった。 だけどやっぱり僕の方がおかしいのだ。 血は繋がってないとは言え姉弟なんだから、義姉さんのフェロモンに当てられてチン ポを固くしてしまうなんて。 そう、僕はさっき大量に射精して準備していたにも関わらず、悩まし過ぎる義姉さんを 前にして性懲りもなく又もや勃起してしまっていたのである。 宅浪してる馬鹿な弟のためにお嫁さんを派遣してくれた正則兄ちゃんに申し訳ない。 よりによって、その義姉さんをエッチな目で見てしまい勉強に身が入らないなんて。 だけど余程暑がりなのか、義姉さんは首筋に浮かんだ汗を拭き、さらに軽くシャツを下 げてハンカチを使う危ない仕草を見せる。 僕は恐る恐る顔を上げ、チラリと義姉さんのノースリーブシャツの胸元を見てしまい、 アッと思って頭に血が上った。 間違いない。義姉さんはノーブラで、バンと張り出したシャツから乳首がポッチリと透 けて見えていたのだ。 ーーこれって、僕を誘惑してるのか!? でも、なぜ…… すぐにも白い物が見えてしまいそうなミニスカと言い、いくら女の子が苦手でまとも に口も利けない僕だって、義姉さんがわざと僕を挑発してるのだろうと思った。 いや、義姉さんは純粋培養されたような本物のお嬢様育ちだから、それがどんなに男を 悩ませてしまうかわからず自然に振る舞っているだけなのかも知れない。 そうに決まっている。 だって、義姉さんと兄ちゃんはとても仲の良い夫婦で、たまに一緒に会うと、親しい身 内の前だからか未だに新婚みたいにラブラブな所を見せ付けて、当てられてしまうくら いなのだ。 そんな義姉さんが、何一つ兄ちゃんに勝る所のない駄目な弟の僕に色目を使うなんて あり得ないではないか。 ともあれ、僕はそんな滑稽な勘違いをしてしまったおかげで、ますます緊張し勉強なん か上の空になってしまった。 もう顔を上げる事すら恐くて出来ない。 初めはお互いギクシャクしていた僕達だけど、毎日お昼過ぎから夕方くらいまで個人 授業を受けているうちに、義姉さんの方はすっかり打ち解けて僕に親しく話し掛けてく れるようになっていた。 と同時に義姉さんの格好がどんどんラフな普段着に変わり、気温の上昇したこの頃では すっかり薄着になって僕を悩ませている。 「ねえ雄二くん、どうしたの? 何だか勉強に身が入ってないんじゃない?」 ーーそりゃ義姉さんがそんなエッチな格好してるからだよ!何て言えないよなあ…… 「そ、そんな事ないです。僕なりに頑張ってるつもりですけど」 「だけど宿題出してもやってくれないし。だからね、明日からテストしちゃいます!」 「テ、テスト、ですか……」 「そうよ。前の日にやった事の復習テスト。だから、しっかり集中してよく理解してね」 「は、はあ……わかりました」 「何だか気のない返事だなあ。じゃ合格したらご褒美あげるから」 「ご褒美って何ですか」 「ヒ・ミ・ツ……うふふ、その代わり出来なかったらお仕置きよ」 義姉さんは身を乗り出し、僕に顔を近付けておでこを指で弾くと言う子供っぽい仕草 でイタズラっぽく笑う。 僕は幼い頃母さんに約束させられてるような甘やかな感情を呼び覚まされて、ますます 義姉さんに惹かれてしまうのを感じていた。 ーー参ったな。こんな気持ちじゃ、とても勉強に集中なんか出来ないぞ だけどその時部屋をノックする音が聞こえ、僕は少しだけ救われた気になった。 母さんがいつも途中でコーヒーを差し入れに持って来てくれるのだ。 セクシー過ぎる格好の義姉さんと二人切りでガチガチに緊張してたのでホッとしたのだ けれど、母さんも兄嫁さんの露出過多な姿には驚いただろうか。 でも母さんはそんな事はオクビにも出さずニッコリと微笑んで、いつもと変わらぬ応 対だった。 やはり僕だけが義姉さんに熱を上げて舞い上がり、何でもない事に意識過剰となってい るのだろう。 実に情けない。 「いつもコーヒーだけでごめんなさいね」 「いえ、いいんです。今日もお菓子作って来ましたから」 「そんなに気を遣わないでいいのに」 「私お菓子作るのが趣味ですから、雄二くんに食べて貰うのが嬉しいんですよ。正則さ ん、甘いものが苦手だから」 似たような会話をもう何度も繰り返している。 義姉さんは毎日いろんな種類のお菓子を焼いて、わざわざこのコーヒーブレイクのため に持って来てくれるのだ。 よほどお菓子作りが好きなのだろう。 義姉さんらしい趣味だと思うし、特に甘いもの好きと言うわけではない僕もガツガツ食 べてしまうくらい、腕前も大したものだ。 「それではごゆっくり。雄二、母さんは買い物に出掛けて来ますから、留守番よろし くね」 適当な生返事を返しながら、僕は又しても意識してしまう。母さんは夕方まで少なくと も2時間は帰って来ないだろう。 その間、この家の中には義姉さんと僕だけ。誰はばかる事のない二人だけの時間…… 「さあ食べてね。今日のは結構自信あるんだ」 そう言った義姉さんがパックに入れて持って来てくれたのはマドレーヌ。 いかにも食欲をそそる甘い香りが漂っており、さっそくかぶりつくと表面はしっとりし ていながら中はサクサクと言う理想的な食感。 甘いだけでなくフルーティーな風味が口いっぱいに広がり、焼き立てで温かさも残って いるので掛け値なしのおいしさだ。 僕は間もなく平らげてしまうとすぐ、目の前に置かれた2個目に手を伸ばした。 「おいしい?」 「は、はい、最高です」 「ホント? お世辞でも嬉しいわ」 きっと洋酒でも入っているのだろう。 体がカーッと熱くなって気分が高揚し、貪るように2個目も胃の中に収めていく僕を、 義姉さんは本当に嬉しそうにニコニコと眺めていた。 こんな旨い義姉さん手作りのお菓子を食べてあげないなんて、兄ちゃんはろくでなしだ と思い、僕は全く意味のない優越感に浸る。自慢のお菓子を食べて義姉さんを喜ばせて あげられるのは僕だけなんだ。 「あのう……お義姉さんは食べないんですか?」 「雄二くん見てたら、もうおなかいっぱいよ。そんなにおいしいのだったら、私のも食 べてちょうだい。少ししか口を付けてないから」 ふと顔を上げると、義姉さんは自分の分には手を付けず、ブラックでコーヒーカップ を傾けながら、腹ぺこの子供みたいに2個のマドレーヌを平らげてしまった僕を満足そ うに眺めていた。 砂糖もミルクも入れたコーヒーで甘いお菓子をムシャムシャと食べてしまった僕に比べ て、何て大人なんだろう。 今はこの目映いばかりに美しい年上の女性に甘えれば良いのだと思った僕は、彼女が こちらに寄越したわずかに食べ掛けのマドレーヌにまで遠慮なく手を伸ばす。 それが義姉さんを喜ばせる事がわかっていたから。 ーーでも、これって間接キスなんだよな。待て待て、何を子供じみた事を考えてるん だ、僕は。相手は義姉さんだぞ…… 義姉さんがホンの一寸だけかじった跡にズキンと感じてしまった僕は、苦笑する。 義姉さんにとって、こんな年下の僕は子供みたいなものなのだ。 食べ掛けを平気で寄越すわけだから。こんな事で動揺してしまう僕はまるで勘違いピエ ロじゃないか。 「ねえ雄二くん。私の事、そろそろ名前で呼んでくれない? 春美って」 ぶっ! 3個目のマドレーヌを頬張っていた僕は、咽が詰まりそうになっていた。 「ど、どうしてですか」 「義姉さんって、何だかよそよそしいじゃない? 雄二くんともっと仲良くなりたいの。 だから、春美って呼んでよ」 「……はるみ、さん」 「ありがと、雄二くん」 ーーえっ? ええっっ!? う、ウソだあっっ!! 僕は、これは夢じゃないのかと、意外過ぎる義姉さんの行動が信じられず、一瞬固ま っていた。 義姉さん、いや春美さんは急に立ち上がって体をこちらに倒すと、マドレーヌを食べて いる僕の顔を両手で抱えて、頬に軽くキスしたのだ。 間接じゃない。本当にチュッと柔らかい感触を残して赤いルージュでキスマークまで付 けられていた。 この作品は「新・SM小説書庫2」管理人様から投稿していただきました。 |