「性奴にされた女教師」

                     赤星直也:作
第1話  顧問

 都会のビルが建ち並ぶ隙間をぬうように中学校が建っている。
その中学はドーナツ化現象をまともに受けて、生徒数も市街の学校に比べると半分しか
いない。
そんな中学校で授業が行われていた。

 「三角形の面積は…」教師に成り立ての女性が黒板を使って説明している。
教師の名前は加藤沙織と言い、有名私立大学で教育を受けた性か気品が漂っていた。
「わかりましたか?」
「はい、先生の説明でわかりました」

 「それでは、この面積を求めて下さい」黒板に問題を書くと、静まりかえり鉛筆の走
るとが響いていく。
「先生、できました!」「私も出来ました」生徒が次々と手を挙げていく。
「後藤さん、いくらですか?」「35㎡です」「はい、その通りです」その後も黒板を
使って問題が出され、生徒に答えさせた。

 そして、授業が終わり職員室に戻ると、教頭の石井が「加藤先生、大部慣れましたね」
声を掛けてきた。
「はい、どうにかやれるようになりました」
「それはよかったです。それなら部活の方もお願いできますか?」
「部活ですか。私は何を受け持てばいいのですか?」

 「美術部です。牧子先生は新聞部と掛け持ちで大変ですから」沙織は牧子と聞いて腰
が引けた。
(あの人が受け持つ部活なんていやだわ)着任早々に意地悪されたのが思い出されてい
る。
「私、自信ありませんが…」丁寧に断ろうとしたが「加藤先生なら大丈夫ですよ。とに
かく牧子先生には言っておきますから」石井は承知もしてないのに決めてしまった。

 「困ったわ。何もなければいいけど」心配しながら授業の準備をしていると「加藤先
生、部活をお願いできるんですってね」早速、牧子が話しかけて来た。
「はい、教頭先生から頼まれまして」
「それは助かるわ、これからは頼みますよ」
「はい、出来る限り頑張ります」
「いい心がけだわ、放課後に引き合わせるから付き合ってね」
「心得ました」沙織は承知した。

 やがて、全ての授業を終えて放課後になると「加藤さん、いいかしら?」牧子が呼ん
だ。
「はい、お供します」沙織は牧子と一緒に職員室を出て部室へと向かう。

 美術部の部室は美術室と呼ばれた教室が当てられ、2人が中に入ると3人ほどの生徒
がキャンバスに向かって描いている。
「やっているわね。今度から顧問になった加藤先生よ」牧子の言葉に生徒達が絵筆を止
めて顔を上げる。
「素人だけど仲良くやりましょうね」沙織が喋ると生徒達も頷く。

 「加藤先生、邪魔にならない内に」2人は部室を出て廊下を歩いていく。
「加藤先生、部活でわからない事があったら何でも聞いてね。それから引継があるの」
牧子は沙織の腕を掴んで誰もいない美術部の資料室に連れ込んだ。

 2人が入るなり「加藤さん、これからする事は誰にも言わないでね」牧子はそう言う
と沙織の頭を押さえて唇を重ねた。
「な、何をなさるの!」
「引継よ、これがしきたりなの」悪びれた様子を見せず服の上から胸を撫で出す。

 (レズだわ、レズだったんだ!)あわてる沙織だが唇を吸われたまま、ボタンを外さ
れ薄いシャツとブラジャー越しに撫でられていく。
「やめて。私はこんな趣味無いです!」
「そっちが無くても、こっちがあるの」執拗に手を動かし、ブラジャーをずらされ乳房
を直接掴まれた。

 「大きいわね。Cカップはあるわね」
「イヤです、こんな事イヤです!」必死に手を押さえるが乳首を掴まれた。
「ほら、堅くなっていくわ。女同士もいいのよ」指先で転がしていく。
「痛いわ。もうやめて!」やっと手を振り払い外に飛び出した。

 「ふ~。危なかった…」急いで乳房を仕舞い込み、服の乱れも直してから職員室に向
かった。
「困ったわ、あんな趣味があるなんて。これからも付き合わされるかも」不安を抱きな
がら職員室で考え事をしていると牧子も戻ってきたが「牧子先生、後は頼みましたよ」
機嫌悪い顔をしている。

 「わかりました」沙織は下を向いたままで顔を上げようとはしなかった。
その後、沙織は授業の準備を始めたが牧子は帰宅した。

 牧子は相変わらず機嫌が悪かった。
「沙織のやつ、後で懲らしめてやらないと」まだ無視された怒りが治まっていない。
「とにかく、何とかしないとね」牧子は目の前にあるデパートに入った。

 中は夕方近くと言う事で、買い物客で溢れている。
「あら、鈴木君だわ」新聞部の鈴木が目に留まった。
そんなこととは知らず、鈴木は周りを気にしながらシャツを制服の下に押し込み、何食
わぬ顔をして歩いていく。

 「万引きだわ、注意しないと…」無き子は後を追うが「待てよ、鈴木を使って仕返し
をしたら…」よからぬ考えが浮かぶ。
「そうよ。鈴木君を利用しない手はないわ」距離を置いて歩いているが、鈴木はそんな
ことなど知るよしもなく、警備員に見つかることなくデパートの外に出た。

 すると「鈴木君じゃないのよ」牧子が声を掛け「せ、先生、どうしてここに…」慌て
た様子をしている。
「鈴木君、私しっかり見ていたわ。服の下に入っているのを知っているわよ」
「そんな、何もしてません…」顔を震わせ言う。
「ここじゃ何だから、付いてきて」牧子は鈴木と一緒に自分のアパートに向かった。

 アパートに着くと2人で向き合い「出しなさい、ここに!」鈴木は沙織に見られてい
たと諦め、服の下からシャツを出した。
「こんな事するなんてどうしたの。親も悲しむわよ」
「先生、親には言わないでください、お願いします」鈴木は泣きながら頭を下げた。
それを見て(そうよ、それでいいのよ、あなたは私の言うがまま動くのよ)笑顔になっ
ている。

 「そこまで言うならいいわよ。その代わり、私の言う事も聞いて欲しいな」遂に牧子
は切り出したが、鈴木は困った顔をしている。
「鈴木君だけにしか頼めないことなの。もし、うまくいったら誰にも言わないと誓うわ
よ」

 「わかりました。それで、何をすればいいの?」
「鈴木君は写真が得意でしょう。だから加藤先生のトイレシーンを隠し撮りして欲しい
のよ」
「そんなこと出来ません。もし見つかったら怒られます!」
「大丈夫よ、良い考えがあるから。それに、うまく撮れたら私のヌードを見せてあげる
わよ」牧子は鈴木の手を掴み、胸に押し当てた。

 「先生、オッパイだけじゃなく、ヘアもいいですよね?」息を荒立てながら胸を撫で
ていく。
「もちろんよ、それに、加藤先生のヌードも撮れるかもよ」
「やります、加藤先生のヌードが撮れるなら」鈴木は笑顔で承知した。
「ありがとう、早速だけど、今度の休みに…」牧子は鈴木に計画を打ち明けた。