「全裸の新体操女王」

                      赤星直也:作

第14話 金メダリスト

 そして、いよいよ競技会が始まり、美紀は部員と一緒に会場に入った。
「小森だ、テレビ体操の小森だ!」会場に入るなり、歓声が上がって「監督、人気あり
ますね」部員達も悪い感じはしない。

 しかし「あら、裸で稼いでる小森さんじゃないのよ!」諸星産業の同僚だった紀子が
声を掛けてきた。
「お久しぶりです。もうすぐアテネですから、大変ですね」
「あなたに、気安く呼ばれる筋合いはないわよ。オッパイ見せてそんなに嬉しいの?」
「ホントね。人間、堕ちたくはないわよね」同僚達は美紀に嫌味を言う。

 (そんな、酷い言い方しないで。生活がかかっているのよ、あなただって引退したら
思い知るから…)叫びたいが堪えている。
それを見て「何やっている。ヌードモデルと話す暇があるなら練習しろ!」監督も怒鳴
り「ハイ、わかりました」紀子達は隅で練習を始めた。

 「監督、気にしちゃダメよ」部員が慰めた。
「そうよね。とにかく頑張ろうね」気持ちを切り替え、競技か始まった。
演技が始まると部員達も緊張している。

 結果は、大学生のチームはさすがに実業チームには及ばず、予想通り日本代表を多く
抱えた、諸星産業が圧倒的な強さで優勝した。
そして、表彰式も済み、関東体育大学の選手達が帰ろうとすると「小森、小森!」体育
館に合唱が響きわたった。

 「何よ、優勝したのは私よ。何で、あんなやつが呼ばれるのよ!」総合優勝の紀子は
美紀の人気を妬んだ。
「仕返ししてやる。裸になるしか芸がないのにいい気になって…」手を振り観衆に答え
る美紀を嫉妬の目で見つめていた。

 それから数か月がたった。
美紀の体操番組は廃止され、新しい仕事を見つけなければならない。
勿論、監督兼コーチはやっているが、生活費の全てを補う程にはならない。

 そんな中、美紀は遠山に呼び出された。
「小森君、見て欲しいのがあってね」ビデオを再生していくと、画面には全裸になった
女性が映し出された。
股間の絨毛は丁寧にカットされ、恥丘にわずかに残されただけでピンクの淫裂が剥き出
しになっている。

 「イヤ、変態!」
「違うよ、最後まで見ろよ。見覚えのある顔だから!」確かに見覚えがある。
「コリーナだわ。シドニーの金メダリストだ!」
「そうだ。素っ裸になって演技するんだ」遠山が言う通り、全裸の女性がリボンを持っ
て演技を始めた。

 コリーナは恥ずかしいのか目を腫らし、乳首を膨らませて演技している。
リボンを振りながら、開脚したままジャンプし、股間の淫裂がアップになって、桜色の
膣が見えている。

 「イヤだわ、性器まで写っている!」美紀は、金メダリストの淫裂を晒す姿に動揺し
ている。
「コリーナは恥ずかしいのを我慢して、素っ裸で演技したんだ。生活費を日本で稼ぐ為
にね」美紀は遠山の話を聞きながら画面を黙って見ていた。

 演技は10分程で終わった。
「今度は、ロープだぞ!」画面が変わり、コリーナはロープを持って演技を始め、やは
り、惜しげもなく淫裂を晒している。
(性器まで撮らせて、どういうつもりかしら?)美紀は、戸惑いながら見ている。

 演技はこん棒、フープ、ボールなどの種目を行ったが、どれも全裸の演技で淫裂を晒
している。
「感想は、どうかな?」
「女性の性器を撮るなんて、不潔だわ!」

 「でも、コリーナは、このオ○ンコ丸出しで5千万も稼いだんだ。それに見ろ!」今
度は写真集を見せた。
「ヌード写真集だわ。でも、ヘアがある!」ビデオでは絨毛が無かったが、写真集では
絨毛が生い茂り、淫裂を隠している。

 「前バリだよ。付けヒゲみたいなやつさ。モデルでも、ヘアの薄いのは付けるんだ。
オ○ンコを載せる訳には行かないからね」
「でも、このビデオは、どうして性器が写っているの?」
「限定販売さ。信用のある人だけにね。裏に流せば、誰が流したかわかるようにテープ
に特殊な信号が記憶されているんだ!」遠山はなおも解説していく。

 「日本では5千万でも、ルーマニアでは数億の価値があるんだ。だから裸を承知した
んだよ。収入が全くないからね」
「生活が大変なんだ。私と同じみたいね」
「そうさ。だから、小森もオ○ンコ丸出しの演技をしてみないか?」

 遠山の言葉に、美紀の顔が真っ青になった。
「できない。オッパイだけならまだしも、性器まで見せるなんてできない!」声も震え
ていた。
「そうか、イヤか。仕方ないな。だったらこのビデオはどうしようかな?」またビデオ
を再生していく。

 すると、画面に美紀が映し出され、美紀は全裸になっていた。
「止めて。お願い、消して!」画面を見るなり、美紀はテレビの前に立ち覆い隠す。
「オ○ンコしている所が、映っているんだ。見ようよ!」
「見なくてもいい。消して!」美紀は泣き出してしまった。

 「これが、公になっら困ると思うよ。本番やったのを知られたら立場はないよな…」
「許して下さい。性器だけは、見られたくありません。それ以外なら、何でもしますか
ら許して…」
「秘密は守る。それに、タダじゃないんだ。相当入るよ。それで、新体操教室でも開け
ばいいと思うがね」

 「どれくらい、入ります?」
「ビデオなら3千万かな。コリーナみたくは無理だ。それに、写真集を出せば2千万。
ショーもやれば、ワンステージ100万は稼げるよ」
遠山は、それだけ言うと美紀の服を脱がしていく。

 「許して。もう、やりたくありません…」
「やらせてくれよ。暫くやっていないじゃないか!」強引に脱がされ下着が覗いている。
「何だ。色っぽいのを、着るようになったのか!」うっすら青みを帯びたスケスケの下
着で、乳房と淫裂が覗いている。

 「ダメ。奥さんに知られたら、仕置きされます!」
「わからないようにするよ」遠山は美紀を全裸にすると、抱き付いた。
「あ、あ、あ!」ディルドーと違い、久しぶりに味わう本物の肉竿に、淫裂も直ぐに反
応してヌルヌルになっている。

 「やるよね、素っ裸になっての演技を…」肉竿をピストンしながら尋ねる。
「本当に、秘密が守れますか?」
「ああ、大丈夫だ。俺が保証する。それに、ショーだって秘密にやるから」乳房を揉み
ながら腰を振り続けた。

 美紀の脳裏では「恥ずかしさ」と「札束」が天秤にのっている。
(性器を見せるなんて恥ずかしい。でもあれだけ貰えれば体操教室が開けるし…)悩ん
でいた。

 「やります。でも恥ずかしい…」

「大丈夫さ、秘密は守るから。それより出していいかい?」
「ダメ。お口で受け止めます」こうして、美紀は全裸での新体操演技を決意した。