「逮捕しちゃう!」
                                赤星直也:作

第8話 レズバー

 それでも、店に戻って座っていると、客がチラチラ2人を見つめていく。
(恥ずかしいわ。いくら客が女でも…)同性から見られるのも、恥ずかしかった。
それでも、恥ずかしさを我慢して、水割りを飲んでいると「お姉さん、一緒に飲もう
よ!」
見覚えのある顔が声を掛けた。
(そんな、生活課の緒方さんだなんて…)声をあげる寸前だった。

 声を掛けたのは、城西署に勤務する婦警で、2人の3つ年上に当たる緒方早苗だ。
早苗は2人とは知らずに、克子の隣に座り体を寄せてくる。
(来ないでよ。あんたなんか嫌い!)以前、仕事でもめた事があるから尚更だが、早苗
は克子と知らずに、触りだした。
(触らないでよ!)口にこそ出さないが手を押さえる。

 「ねえ、私が嫌いなの?」
「そんな、嫌いだなんて…」
「だったらいいでしょう。おごるから」早苗の手が胸元から入り込み、乳房を握りしめ
た。
「大きいのね。あなたのは立派よ」握りしめた手で揉みながら、乳首を撫で出す。
「そっ、そこはダメ!」上擦った声で叫ぶと「ここがダメなら、ここならいいのね」今
度は丈の短い裾から手を入れて「履いてないんだ。準備がいいのね」早苗は驚きながら
も指で割れ目を撫でだした。
(やめてよ。あんたと同じなんだから…)克子は下を向いたままだ。

 それを見て、幹子は早苗の隣に座り、早苗がしているように、スカートの中に手を入
れた。
「あんた、わかってるじゃないのよ。今晩、私と楽しんでみる?」
「先約があるから無理です…。機会があったら…」そう言いながら、パンティの脇から
淫裂を触りだした。
「いいわ、気持ちいい…」息を荒立てながらも、克子の淫裂も撫でていく。
やがて早苗は「あ、あ、あ~!」客にも聞こえるような声をあげだした。

 その声に、客の皆が見つめている。
(恥ずかしいけど、やめるわけには行かないし…)幹子が、指を動かし続けると早苗は
「行く、行く~!」声を上げピタリと動きを停めた。
早苗は、暫くグッタリしていたが「良かったわ、お礼よ」ボトルを注文して置いから去
った。

 「参ったわ。あんな趣味だなんて…」
「でも、得しちゃったね」
「そんな事ないわよ。やられ損よ」そんな風に2人が話していると「ご一緒させて欲し
いの…」2人連れが克子と幹子に寄り添うように座る。

 2人が酒を飲むと「私にも楽しませて欲しいの」顔を押さえて唇を押し付けてきた。
(参ったわ。本気でやられるとは…)2人は目を閉じ、されるがままにしていると「こ
こもいいでしょう?」胸元から乳房を引き出され、吸われていく。
「ダメ、恥ずかしい…」声をあげても揉みながら吸い続けた。
その後は、早苗がしたように淫裂を触られ、2人も乳房と淫裂を触り返した。

 こうして、30分ほどレズの相手をしていたが「これ、お礼よ。取っといて」2人の
胸元には5千円札が押し込まれた。
「こんな事されても…」戸惑う2人だが「いいのよ、お礼だから」そう言って席を立っ
た。
「幹子、これって犯罪じゃないよね?」
「そうよね、レズだから売春にはあたらないし…」2人が思案していると「私にも楽し
ませて欲しいの」また女性が座って2人はレズの相手をさせられていく。

 こうして、2人は約束の11時まで店で相手をして着替え室に向かった。
着替え室に入り、服を脱いでいくと、胸元に押し込まれた札が落ちていく。
「見て、3万よ。どうしたらいいのよ」
「私だって、同じよ、ほら」2人は服を着るのも忘れて札を見せ合う。
「とにかく、預かろう」
「そうよね、明日聞いてみよう」服を着込むと、気づかれないように店を出た。

 翌日、署で着替えをしていると早苗と鉢合わせになった。
(昨日の事は平気かしら。それにしても、今日は最悪だ…)黙って着替えていると「お
はよう!」珍しく声を掛けてきた。
「おはようございます」2人も返すが「挨拶はもっと大きな声よ」機嫌がいいのか、笑
顔になっている。
(良かった、昨日の事がばれてないみたい)2人も安心して着替えた。

 着替えがすむと、いつものように、書類を整理してから、取り締まりのため、ミニパ
トカーに乗って署から出ていく。
「今日は何をやろうか?」
「そうね、追い越し違反はどうかしら」
「いいわね、それだったら」2人は目的地に向かうと携帯が鳴った。

 「もしもし、陣内ですが…」相手は神田からで「わかりました、待ってます」携帯を
切ると「これから来るんだって」告げると、暫くして神田の車が現れた。
「久しぶりだね。今日は楽しもうと思ってね」
「俺も、一緒だよ」小野もおり、2人は車をパトカーの脇に停めて、カモフラージュし
ていく。

 「これなら、どう見たって違反車だよな」
「そうだよ、それよりも俺からだぞ」小野は克子をワゴン車に乗せてシートに押し倒し
た。
「いや、こんな所ではいや。見られたら困るの」
「そんな事ないよ。貯まっているんだぞ」押し倒して、スカートを引き下げた。
「やめて。お願いです!」叫んでも、小野はズボンを引き下げ、淫裂に肉竿を押し込み
「ヒ~!」無理矢理の挿入に悲鳴を上げた。
「オッパイも、やらせろよ」肉竿を押し込みながら、胸のボタンを外していく。
「乱暴にしないで!」叫んでも、準備の出来ていない膣腔に、肉竿が入ってピストンし
ている。
(レイプよ。これはレイプだわ…)嗚咽をあげるが、乳房も握られたまま、ピストンが
続けられた。

 やがて、絶頂を迎え動きが停まると「いや~!」悲鳴と同時に白い液体が流れ出した。
「酷い、射精するなんて…」涙が停まらない。
「飲んでいるんだろう、我慢しろ」小野は平然とズボンを直し、克子も淫裂を拭いてか
ら服を着た。
服を着終えると2人は車から降りて、替わりに幹子と神田が乗り込んで同じ事をしてい
く。
「いや、いや~!」悲鳴が、外の2人にも聞こえているが、克子は項垂れているだけだ。
やがて、悲鳴も収まり「う、う、う!」嗚咽が聞こえてくる。
(幹子もレイプされたんだ…)克子も同じ事をされたから、涙がこぼれていく。

 それから暫くして、2人が降りてきたが、幹子の目からは涙がこぼれている。
「酷い、こんな事をするなんて…」泣きながらパトカーに乗り込んだ。
「待って、私も…」克子も乗り込むと、走り出した。
「参ったな。今日は暴れて困ったよ」神田は頭を掻きながら言うと「こっちもだよ、泣
かれて困ったよ」小野も頭を掻いていく。

 一方、パトカーに乗っている2人は「レイプよ、あれはレイプよ」幹子はまだ怒りが
治まっていなかった。
「私もレイプされたのよ」
「克子もやられたんだ…」
「そうよ。無理矢理入れられたから、まだ痛いのよ」
「私もなの。いつもは優しくやるのに、今日に限って乱暴に入れたから、痛くて…」

 「それより、射精されたのよ。どこかで洗わないと」
「そうよね、それだったら、トイレを借りようよ」パトカーをスーパーの駐車場に止め
て、トイレに向かう。
「ここは、ビデがあるから安心よ」
「それなら心配ないわ」2人はトイレに入って淫裂を洗い、洗い終えてパトカーに戻る
と、早苗が立っていた。

 (まずい。大目玉が飛ぶ…)恐る恐る近寄ると「あなた達、商売道具をほったらかし
て、どこに行っていたのよ!」案の定、大目玉飛んだ。
「トイレです…。我慢できなくて、してきました…」
「生理現象か。それなら、仕方ないわね」今回に限って機嫌が良かった。
「先輩、何か良い事合ったんですか?」
「何もないわよ。そんな事より、ここは私の管轄よ!」

それを聞いて「これから、パトロールしてきます!」2人は急いで乗り込み、走り出し
た。
「あんなに、機嫌がいい何て…」
「きっと、昨日のせいよ」
「それだったら、今日も来るかもよ」
「それだったら、まずいわね。相談した方が良いわよ」
「そうね、聞いてみる」幹子は清子と連絡を取って「とにかく来てくれだって」克子に
伝えた。
「何もなければいいけど。せめて、あの服は着たくないな…」溜息をつきながら、署へ
と向かった。