| 「OL哀歌~美由紀編」
赤星直也:作
第9話 退職
美由紀は、泣きながら服を着ていくがパンティは濡れているので履かず、スカート
を履いた。
全て元通りになった美由紀に「まったく、スケベな女だな。俺も騙されるとこだった」
「そうなんだ。野村を騙すつもりだったのね?」由佳の言葉に「違います。野村さ
んが迫ったんです!」
「嘘つくなよ。自分から僕の性器をしゃぶったじゃないか!」
「……」美由紀は応えられない。
「それで、美由紀とセックスしたの?」由佳の問いに「騙されたんだ。仕方なくし
たんだ」野村の言い訳で、再び美由紀は泣き出した。
「野村とセックスしたんじゃ、仕方ないわね。ハイ、手切れ金よ。100万払ってお
くわ」
「お金なんか入りません。本当に野村さんから迫ったんです!」
「だから、手切れ金よ。二度と私達の前に現れないで!」悔しさで、再び泣き出す美
由紀にかまわず、上着のポケットに由佳は札束を詰め込んだ。
そこに福原が再び現れて「大原君、会社を辞めてもらう!」と告げる。
さらに「本来なら懲戒免職になるところだが、ここは温情で自己都合で退社したこと
にしておく」美由紀は、もう会社には居れない事を思い知った。
美由紀は職場に戻ると、自分の荷物をまとめて紙袋にしまい込んでいく。
しかし、同僚達は美由紀に決して手を貸そうとはせず、黙って冷ややかな目で見てい
る。
かっての同僚の前で荷物をまとめ、見送りがないまま会社から出た。
「私の人生は終わったんだ…」美由紀は今まで通い詰めた会社を振り返り、自分のア
パートに向かって歩いた。
11時には自分のアパートに戻ってドアを開け、美由紀は荷物を放り投げてベッド
に飛び込んだ。
ベッドで横になっていると、次々と思い出が浮かび「酷いわ。あんまりよ、野村さん」
会社のことが浮かんで美由紀は再び泣き出した。
堪えても自然に涙が流れ出し、涙はいくら拭いても停まることがなく流れ続ける。
泣き続ける美由紀は、いつしか泣き疲れ意識が薄れて、深い眠りに入り込んだ。
眠り込んだ美由紀は夢を見ている。
小さな部屋で、なぜか衣服を脱いで全裸になって鏡に自分の全身を映している。
すると突然に風景が変わり、いきなり現れた大勢が美由紀の全裸をニヤニヤしながら
眺めている。
美由紀は両手で股間と乳房を隠すが、野村が現れて美由紀は両手を万歳する格好で
押さえつけた。
美由紀は乳房と股間を大勢に晒し、周囲の人間は美由紀の股間に注目し、絨毛の批評
をしていく。
そこに由佳が現れた。
由佳はカミソリで美由紀の絨毛を剃っていくが、金縛りにあったように動けない。
由佳は絨毛の全て剃り上げ、子供のようにツルツルな割れ目が現れ、襞が割れ目から
飛び出し、大勢が股間の割れ目を見て笑っている。
「いやー!」美由紀は叫び、そこで夢が覚めた。
美由紀は全身が汗で濡れ「夢か!」美由紀は汗を手で拭きながら時計を見ると「も
う3時だ。こんな時間なの?」美由紀は時計を見ながら額の汗を手で拭く。
「汗でビッショリだわ!」美由紀の下着は汗でビッショリだ。
不快感に、美由紀は着ていた衣服を脱ぎ、ブラジャー1枚の姿になった。
「着替えないと…」誰もいない部屋でブラジャーを外すと、乳房には、先ほど福原に
揉まれた時にできた痣があり、美由紀はバスルームに向かい、シャワーを浴びる。
シャワーを浴びながら美由紀はこれからの事を考え「これからどうしようかな?」
当てがないから、職を捜さなければならない。
「ハローワークに行ってみようかな?」バスタオルで全身を拭きながら思いつき、バ
スルームから戻った美由紀は急いで服を着込み、ハローワークへと向かった。
ハローワークでは親切に担当者が美由紀と面接をして尋ねてくる。
「どうして、前の会社をお辞めになったの?」美由紀は答えられない。
まさか、ストリップ出演がばれたとは言えないから「いろいろ事情がありまして!」
「そう、勿体ないわね。実は不景気で女性の求職は無いんですよ」早い話が、職は
無いとのことだ。
担当者はとりあえず、失業保険で生活をするように勧め、説明をしていくが、保険な
んかどうでもよく、職がないならそれで良いのだ。
美由紀は仕方なく、最後まで話を聞いてハローワークを後にした。
美由紀は歩きながら考えたが、いい考えが浮かばない。
無造作に歩くと、喫茶店の看板が目に付き「コーヒーでも飲もうかな?」看板が飾っ
てある喫茶店に飛び込む。
「いらっしゃいませ!」美由紀はとりあえずイスに座ると「何を、お召し上がりま
すか?」「ホット頂戴!」「かしこまりました」美由紀はウェトレスが置いた水を飲
み込む。
「そうだ。困ったら、絵里さんが来いと入っていた!」コップを置いて立ち上がろ
うとした時に「お待たせしました!」ウェイトレスがコーヒーを運んできた。
「ありがとう!」美由紀は直ぐに絵里の所に行きたかったが、失業した今は、出され
たコーヒーを最後まで味わうように、飲み込んでいく。
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