「OL哀歌~美由紀編」

                     赤星直也:作
第1話 初めてのキス

 美由紀は22歳の独身だ。
高校を卒業すると同時に、丸菱商事の事務員として採用され、もう4年が過ぎた。
美由紀は仕事は丁寧に行い、また人当たりが良いことから男女を問わず好かれている。

 中には縁談まで持ち出す先輩までいたが「私はまだ未熟ですから!」と遠回しに断
っていた。
しかし、美由紀は決して縁談が嫌ではなく、同じ課に勤務する年上の野村真人が好き
だからだ。

 ただ、野村は相原由佳と付き合っている。
歳は美由紀と同じ22歳だだが、資産家の令嬢だから、結ばれることはないと分かっ
ている。
だが、心の中では「もしかしたら?」と淡い気持ちがあって、持ち込まれた縁談を断
っていた。

 そんな中、美由紀は残業をしていると電話が鳴り「野村を出せ。いるんだろう?」
かなり暴力的な言葉で言われる。
「すみませんが、どちら様で?」

 「いいから、野村を出せよ!」美由紀は動揺しながらも「あの、お名前を?」「バ
カ野郎。名前なんかいい、野村を出せ!」その声は、数人しか残ってない部屋の全員
にも聞こえ、当人の野村も動揺しており「野村さん、お電話です!」「あ、ありがと
う!」
野村は震える手で受話器を持った。

 「もしもし、野村ですが…」暫く沈黙が続いて「で、ですから、その件は必ず対応
しますから。もう少し待って下さい」電話を持って謝っている。
(野村さん、何か失敗したのかしら?)平謝りする野村に美由紀も同情している。

 電話は数分で切れたが、野村は全身が汗でビッショリになっている。
「野村君、今の電話は誰かね?」課長代理の福原が心配そうに尋ねた。
「お得意さんからです。間違った書類を渡したみたいで怒ってました。明日、謝りに
行きます」

 「そうか、今後は注意してくれよ。君には期待しているんだからね」
「はい、今後注意します!」福原は気づかなかったが、美由紀は(野村さん、嘘つい
てる。きっと脅されているんだ!)そう直感が働いた。

 その夜は、金曜日という事で7時で残業が終えたが「大原君、飲みに行こうよ。い
い店知ってるんだ」珍しく野村から誘われた。
「付き合ってもいいわよ。でも、福原さんに悪いわ」
「俺だって、婚約者に隠れて美人と飲みに行くこともあるさ!」

 「それじゃ、いいのね?」
「勿論だよ!」二人は書類を片付けて会社を出て行く。
二人は、5分程歩いてパブに入ったが、そこはビルの地下にあり、あまり知られてな
いらしく客が少ない。

 「最近できたんだよ。俺も知らなかったんだ」野村に案内されて、奧に入っていく
と奧のドアを開けて「さあ、入って!」と勧める。
「いいの、勝手に入って?」
「ここは個室なんだ!」
「へえー。パブにも個室があるの?」そこにウェイトレスが来た。

 「いらっしゃいませ。お飲物は何になさいます?」
「そうだな、スコッチを頼むよ。ジョニ黒がいいな!」
「かしこまりました。ボトルでよろしいでしょうか?」
「ああ、持ってきてくれよ」ウェイトレスは一旦出てから、直ぐに戻ってきた。

 持ってきたボトル、氷、などをテーブルに並べ、「追加ご注文の節はボタンを押し

いただければ伺います」そう言い残してウェイトレスは個室から出て行く。

 野村はグラスにウイスキーを注ぎ水と氷で薄めると「大原君、飲んで!」美由紀に
渡す。
「大原なんていやだわ。美由紀でいいわよ」
「じゃ、美由紀。乾杯!」「乾杯」二人はグラスを軽くぶつける。

 二人は世間話をしながら飲んでいくと、いつしか酔いも回って、野村は美由紀の脇
に座り、肩に手を掛けて話を始めた。
美由紀は好きな野村だから、婚約者がいたと知ってても拒まない。

 話は進み、いつしか男の女の話になって、美由紀はあまり話さなくなっている。
(つまんない。セックスの話なんて!)美由紀は今まで付き合った人がいないので、
経験がなく答えることができないからだ。

 それに気が付いた野村は、美由紀の肩の手を首に回して抑えて、自分の唇を美由紀
に重ねた。
「!」突然のことに美由紀は驚いたが、好きな野村だったので拒まない。

 野村はもう片手を背中に回して抱きしめ、舌が美由紀の口の中に入り込み舌に絡ま
せていく。
(ディープキッスなの?)初めてのキスが野村で、しかも舌と舌が絡み合うキスだ。

 野村の右手が首から下がり、胸で停まると服の上から美由紀の左乳房を撫でだす。
(だめよ。オッパイはだめよ!)キスで口を塞がれて、声にはならない。
野村の右手が、乳房から上着のボタンを外すと、淡いブルーのブラウスが覗いてる。

 そして、再びブラウスの上から乳房を撫で、今度は左だけでなく右も撫でていく。
(だ、だめよ。野村さん!)しかし、美由紀は自分から唇を求めている。
野村は抵抗しない美由紀に(これはいける!)右手がブラウスのボタンを外しだす。

 真っ白なブラジャーが露にされ、そのブラジャーの中に手を入れ、直接に左乳房を
掴んだ。
「いや!」美由紀は唇を離して叫んだが、再び野村の力で唇が重ねられた。

 野村は(フロントホックだ!)ブラジャーがフロントホックなのに気づき、カップ
の繋ぎ目のホックを器用にも外した。
ブラジャーは「プチ!」と音がして、乳房を抑えていたカップが解放され、乳房が飛
び出す。

 (いやよ。やめて、野村さん!)美由紀の思いとは関係なく、飛び出した乳房の感
覚を味わうかのように、やさしく揉み出し、堅く勃起している乳首を摘んだ。
「あ、あ、あ~!」背中を衝撃が走り、乳首が堅くなっているのが分かる。
(いいわ。乳首を触られると感じる…)堅くなっている乳首が、これ以上堅くならな
い程に勃起している。

 その飛び出た乳首を軽く撫でながら、両乳房を揉んでいく野村だ。
野村は両手で乳房を揉みだし(いいわ。凄くいい!)美由紀はキスしながら乳房を揉
まれていた。