「拗れた関係」

                     赤星直也:作
第7話 下着 

 翌朝、智子が会社に行くと、人が集まって話し合っていた。
「ねえ、どうしたの?」
「昨日ね、内の会社に素っ裸の女が現れたんだって!」
(そんな、見られていたなんて!)思わず「え!」と叫んだ。

 「それが、2人いたんだって!」
「誰だかわかるの?」
「それが、顔はわからなかったんだって。オッパイと性器しか見てないんだって!」
「誰なの。見た人って?」
「営業の田中さんよ。会社に戻ってくる時、素っ裸の女性を見たんだって」

 (そうなんだ…。弘毅さんに見られてしまったんだ…)
「智子。どう思う、素っ裸で現れるなんて?」
「私にはわからないわ。私は裸なんて見られたくないし…」
「そうよね、裸になるなんて変態よね。まして、性器までだしているなんてね」智子は
それだけ聞くと、更衣室で制服に着替えて田中の所に向かった。

 「弘毅さん。昨日、裸の女性を見たんですって?」
「そうなんだよ。オ○ンコとオッパイ丸出しなんだ!」
「イヤ、オ○ンコだなんて。もう言わないで」
「ご免よ、智子さん。ところで、今夜寄っていかない?」

 「構わないけど、いいの?」
「いいよ。今夜は泊まってもいいよ」
「ダメよ。元克がいるし…」
「そうだよな。卒業したら結婚しような」
「私もそうして欲しいの…」智子は、裸の女性が自分だと気付かない弘毅に安心し、自
分の職場に戻った。 

 仕事が終わると智子は弘毅と一緒に会社から出て行く。
「智子さん、ちょっと、寄っていかない?」そこはポルノショップだ。
「恥ずかしいわよ!」
「いいから、行こうよ」強引に腕を掴まれポルノショップに入ったが、智子は(弘毅さ
んったら、強引なんだから)恥ずかしそうに俯いたままだ。

 「いらっしゃいませ!」若い女性の店員が声を掛けてきた。
「下着あるかな。特別なやつなんだけど…」
「わかりました。こんなのはいかがですか?」コルセットガーターだ。
乳房を下から持ち上げるタイプで、隠すためでなく性器と乳房を見せる下着だ。

 「いいね。智子、着て見ろよ」驚く智子だ。
「試着でしたらこちらへ」
(イヤだけど…)渋々店員に従うと「智子、僕も一緒だからね」
「旦那様ですか。それでしたら構いませんが…」
(恥ずかしいから、こなくていいのに…)不満を持ちながら試着室に入った。

 「カーテンはいいよ。どうせ、誰も来ないんだから」
「でも、恥ずかしいわ」
「夫じゃないか、いいだろう?」
(まだ結婚してないのに夫だなんて…)顔を赤らめながらスーツを脱いでいく。

 「下着も全部脱いでください」店員は下着姿になった智子に言う。
「えっ、全部脱ぐの?」
「はい、下着を脱がないとサイズが合いませんし…」
(そんな、フルヌードになるなんて!)黙ったままパンティから脱いでいく。

 「あら、ヘアを手入れなさってるのですね?」
「そうです、手入れしてます」顔が赤くなった。
(言えないわ、脅されてヘアを剃っただ何て!)パンティを脱ぎ終えるとブラジャーも
脱いだ。

 「いいオッパイですわ。これならこれがお似合いです」ブラジャーを脱ぎ全裸になっ
た智子を店員が食い入るように見ており(見ないで。恥ずかしいのよ)手で乳房と股間
を隠していく。
「智子、手で隠すより早く着ないと」
「はい。あなた!」智子も妻のよう返事した。

 「これを付けてください」腰の部分にコルセットを取り付けた。
そして、乳房を持ち上げ、コルセットの上に載せていく。
「いやらしいわ。恥ずかしい…」
「お似合いですよ。綺麗ですわ」
「そうだよ、オッパイが引き立っていいよ」ニヤニヤしながら見ている。
それには(弘毅さんったら!)鏡を見を見つめたままだ。

 「これをお履き下さい」やはり、黒のストッキングだ。
それに足を通し持ち上げて、もう、片足にも履いていく。
「ここで止めます」コルセットガーターにストッキングを取り付けた。
「あなた、恥ずかしいわ。性器が丸見えよ!」
「いいよ。それでいいよ」

 「本当ですわ。どうせなら、性器にもお化粧なさってはいかがで?」
「と、おっしゃいますと?」
「ヘアを、旦那様の好きな形の揃えるのですよ」
「そんな事できるの?」
「はい、できます」

 「おもしろいや。やってくれないか!」
「それでしたら、型紙がありますからお待ち下さい」店員が一旦戻ってから型を持って
きた。
「これを性器に押し当てて、はみ出した部分を剃ればいいんです」店員はいろいろな型
紙を持っていた。

 「これがいいや。この形で、俺に手入れさせてくれ!」
「わかりました、あなたに任せます…」
「これで、よろしいのですね?」
「ああ、これでいい。このまま帰るけどいいかな?」

 「はい、結構です。それから、お履きになったパンティも下取りしますが…」
「えっ、こんなのが売れるの?」
「はい、マニアがお買い求めます。奥様のパンティと交換できます」

 「おもしろい、エッチ系のパンツと交換してくれ」
「わかりました、奥様のでしたらこれくらいかな…」脱いである智子のパンティを拾い
あげ裏地を調べていく。

 「これでしたら結構いいのと交換できます。奥様の性器からのシミがありますから」
その言葉に智子の顔が更に真っ赤になり(イヤよ、パンティのシミだなんて!)俯いた
ままの智子だ。

 店員は奥から総レースのパンティを持ってきた。
「これなら奥様にお似合いですよ」
「そうだよな、これだとヘアも丸見えでいいよ」
「わかりました、もう服を着てもいいでしょう?」
「はい、結構ですよ」

 「そうだ。妹さんの分もかってやらないと…」
「サイズがわかりますか?」
「智子、お前ならわかるだろう?」
「はい、わかります」店員は智子が言う通りのサイズに合うのを選んでいく。

 「色も同じでよろしいですか?」
「同じでいいよ、その方が良いよ」店員は選んだコルセットガーターとストッキングを
袋に詰めていく。
その間に智子は服を着込んでいくが、ブラジャーが残された。
(ブラジャーは着れないし…)折り畳んでバックに仕舞い込み、弘毅が代金を払うと智
子と一緒に自宅に向かった。

 「弘毅さん、恥ずかしかったわよ」
「でも、女性同士だからいいだろう。それに『あなた』はおもしろかったよ」
「まあ!」恥ずかしそうに肩を寄せて歩いていく。

 弘毅のアパートでは、麻子が待っていた。
「あら、遅かったのね。それに智子さんも一緒だなんて」
「ちょっと用事があって。それより智子さん、麻子にも見せないと」
「わかりました、弘毅さん!」智子はスーツを脱いで下着姿になった。

 「あら、智子さん、素敵だわ。オッパイもいいし、ヘアもいいわ」乳房と股間を露わ
にした姿に興奮している。
「麻子、お前のもあるぞ、着てみろよ」
「ありがとう、私も着てみるわ」麻子も服を脱いでいく。

 パンティブラジャーも脱いで全裸になり、着込むと智子と同じような姿になった。
乳房が小さいが、全く同じで黒いストッキングは淫裂を引き立たせている。
「智子さん、どうかしら?」
「似合うわよ」智子はその後、世間話をしてから帰った。

 家に帰ると元克が「姉さん、凄い下着を買ったんだってね。僕にも見せて」家に入る
なり言いだした。
「誰から聞いたの?」
「麻子さんからだよ。明日、これを着て遊びに来るって、連絡があったんだ!」

 「麻子さんったら、仕方がないわね」智子は服を脱いで例の姿になる。
「姉さん、綺麗だよ。姉さん!」元克は智子に抱きついて絨毯の上に押し倒した。
「ダメよ。元克、ダメ!」
「欲しいよ、姉さんが欲しい!」乳房を揉んで言う。

 「兄弟よ、許されないわ」
「そんなの関係ないよ。姉さんだって、好きな人とセックスをするんだろう?」急いで
ズボンを脱いでいく。
「ダメ。入れないで、絶対にダメ!」

 「出さないからやらせて、姉さん!」
「やめて、いけないのよ、兄弟だからダメなのよ~!」
(ダメだわ、オチンチンが入ってしまった!)智子は覚悟を決めて「コンドームを着け
てして。それならいいわ。出してもいいからコンドームを着けて!」

 「わかった、着けるよ」元克は麻子とのために準備しておいたコンドームを急いで肉
竿に取り着け、淫裂に押し込んでいく。
「姉さん。好きだよ、麻子さんも好きだけど…」乳房を掴みながら腰を振っていく。
(いけないわ。こんな事いけないのよ…)閉じた目からは涙が流れている。

 同じように「ダメ、兄さんいけないわ、そこは元克さんのためなの。入れないで!」
必死に拒むが麻子の淫裂にも弘毅の肉竿が入っていく。
「ダメよ、兄さん。だめ~!」乳房を掴まれながら肉竿がピストンしている。
「兄さん、私が好きなの?」
「ああ、好きだよ。智子と同じくらい好きだ」腰を振りながら言う弘毅だ。

 「わかったわ、コンドームを着けてして、お願いだから。それならしていい!」
「わかった。着けてからするよ」コンドームを取り着けると、実の妹の淫裂に、再び淫
裂に肉竿を入れた。
「兄さん!」麻子も涙を流しながら、弘毅の背中を抱きしめている。
こうして、智子と麻子は実の兄弟からコンドーム越しに射精を受けてしまい、その夜、
2人は夜遅くまでベッドの中で泣いていた。

 翌日、智子は会社で弘毅と顔を合わせたが、昨夜の事は言えなかった。
(言えないわ。弟とセックスしたなんて…)心の傷を持ったまま、仕事をしている。
それは麻子も同じだで、大学を終えると4時には元克と一緒に家の中にいた。

 麻子は昨日の姿になって、元克の前に立っている。
「綺麗だ、麻子さん!」元克に抱かれてベッドに横になっていく。
「元克さん!」乳房に顔を埋めた元克の頭を両手で抱いている。
(言えないわ、お兄さんにレイプ同然にされたなんて!)麻子も心の中にとどめる事を
決めた。

 それから数ヶ月が経った。
真夏の太陽が輝き、麻子と元克は夏休みに入り、一方では智子と弘毅も婚約が成立し、
元克と麻子の交際が家族が認めた。
4人はつかの間の夏を楽しもうと弘毅の車に乗で旅行に出かける事になった。

 出発を明日に控えた日に、また手紙が届いた。
「また、辱める気ね」折られた手紙を見ていくと、やはり思った通りだ。
「できない、フルヌードだなんて!」声を上げて泣いている智子だ。

 写真も入っており、元克と抱き合っている写真で淫裂には元克の肉竿が入っている。
(これを元克に見せる訳にはいかない…)その写真を破った。
(やるしかない。恥ずかしいけど…)自分の姿を妄想していく。

 同様に麻子の所にも手紙が届いていた。
「いや、そんなのいや!」やはり泣き出し、同封されていた写真を破っていく。
「兄さんには絶対に見せられない。私が裸になれば済む事だし…」悲しい目をしながら
涙を流していた。