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『見果てぬ夢』
とっきーさっきー:作
第22話 典子の膣は誰のもの? その3
4月8日 火曜日 午後7時50分 岡本典子
ぬちゃぅっ、じゅちゃっ、ぬちゅゃっ、じゅちゃっ……
パンッ、パンッ、パーンッ……パーンッ、パンッ、パンッ!
「ほらぁ、まだか典子? 俺の命令がきけないとなると、お前の儚い夢もこれまで
だな。さあ、俺が射精するまでがタイムリミットだ。と、言いたいが、もうまもなく
だがな……」
典子の夢……儚くて果てしなく遠い二人だけの夢……
視線が遠い暗闇に注がれた。
私は腰から突き上げられる快感に顔をしかめながら、一点を見つめた。
小さな粒のような光が涙に揺れて、口を開いていた。
壊れそうに声帯を震わせていた。
「んはぁ、の、典子は……みぃ、淫らで淫乱な人妻です。……お、オチ○チンが大
好きな……人妻です……ああっ、ああぁぁぁっっ!」
口を閉じた瞬間、何かが弾け飛んでいた。
身体中の神経を甘い電気が駆け抜けて……
膣がキューッて収縮して……
子宮の扉がギギーッって開くのを感じた。
そうよ、イッちゃうの。
男が射精する前に、典子が絶頂しちゃうの。
このマンションの住人みんなに聞かれながら、夜空に向かって獣のように叫びながら
飛んじゃうの。
私は突き出される腰のタイミングに合わせて、お尻を振っていた。
衝撃で太腿が揺れて、おっぱいもプルンって揺れて、お腹のなかで子宮も揺らされる。
河添が、後ろで小さく呻いた。
硬くて太いモノが膣に突き刺さるたびに、更に太くなって更に硬くなっていく。
「はぁぁ、いいぞぉ典子。うっ、ぅぅ」
硬いモノを埋め込んだまま、ウエストを強く掴まれた。
皮膚を破る勢いで爪を立てられる。
まだよ。あとちょっと……あと少しで……
引いては寄せる快感の波に飛び乗ろうとした。
割れ目がトロって溶けて、新しいエッチな水が湧き上がって。
背筋から頭のてっぺんまで、気持ちいい電気が矢のように流れて。
私は『エイッ!』って、踏み切った。
獣みたいなセックスが大好きな淫乱典子だからジャンプした。
パンッ、パンッ、パンッ、パンッ……パンッ、パンッ、パンッ!
ぬちゃぅっ、じゅちゅっ、ぬちゅゃっ、じゅちゅっ……
「んんあぁぁっ……ああっ、きもちいいのぉっ、硬くて太くて……だから、だから、
だから……イクぅぅぅっっ、イッちゃうのぉぉっっ!!」
「ううっ、で、でるぅッ!」
どぴゅッ、どぴゅッ……どぴゅぅぅぅぅ、どぴゅぅぅぅッッ……!
「はぅぅぅ、ううぅぅっ、お、お腹が……熱いっ! あぁぁ、熱いシャワーで……
典子のお腹……火傷するぅぅっ!」
一瞬のことだけど……
膣に精液を撒き散らせた河添のモノが、可愛いって思ってた。
後で死ぬほど後悔すると思うけど……
真っ白に染まる頭の中で、夫以外の異物を愛おしいってどこかで感じた。
背中を弓のように反らせて、赤い舌を覗かせながらあごを突き出して……
たぶん叫んで、たぶん聞こえたと思う。
気持ちいいって鳴く声と、快感って鳴く声を……
私は、コンクリート柵に寄り掛かっていた。
河添のモノが引き抜かれた後も魂の去った抜け殻のように、ほとんど全裸の身体を冷
たいコンクリートに預けていた。
そして薄れる意識の中で考えていた。
結局、獣のセックスをさせられたのって私だけだったのかな?
だって、この人……
ズボンの隙間からアレだけ露出させて、服を脱がなかったもの。
なんかずるいよね。
典子だけ獣になるなんて……
それとも、あの人って案外寒がりなのかな?
セックスしてこんなに身体中火照っているのに、やっぱりおかしいね。
なんだか私……眠くなってきちゃった。
このままお休みしようかな……
犬のように身体を丸めて寝ちゃおうかな?
夜空と一緒。
闇に沈む意識の中で、時が流れていく。
やがて、会いたかったのに顔を正視できない誰かが脳裡に浮かんで、同時に誰かが典
子の身体を持ち上げた。
そしてひとこと「こんな所で寝たら、風邪ひくぞ」って……
ふふっ、最後にこのセリフ……卑怯だと思うよ……誰かさん……
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