『闇色のセレナーデ』 とっきーさっきー:作 第2話 メス犬の衣装 口を開けばアルコールの匂いはするが、酔いは醒めていた。 それだけに許せないのである。 いつも損な役割ばかりを押し付けられるチッポケナな正義感が、ムラムラと沸き起こ ってくる。 「アンタ、冗談もほどほどにしろよ。女の子にこんなひどいことをするなんて」 卓造は若い男を睨みつけたまま羽織っていたコートを脱ぐと、それを少女の背中に掛 けてやる。 「ちょっと待ってくださいよ。メス犬を散歩させただけで、ひどいことなんて。ね ぇ、チカもそう思うだろ?」 そんなチカと呼ばれる少女の脇に男はしゃがみ込んでいた。 そして、彼女の耳元に顔を寄せると何事か話しかけている。 数秒もしないうちに、四つん這いの少女は、持ち上げかけた首を力なく項垂れさせて いた。 その姿を目で確認した若い男が、勝ち誇った表情のまま立ち上がる。 (こいつ、あの少女に何を話した?) 卓造が怪訝な表情を浮かべたその時だった。 「んんっ、は、はぁ……いりません、こんなモノ」 少女は細い肩を揺らせると、卓三が掛けてやったコートを払い落していた。 寒々とした路上に再び白い肌を露出させる。 「ふふふっ、そういうことです。メス犬に服なんて必要ないですからね。それに震 えているのは、なにも寒いだけではないですよ。ねぇ、チカ」 唖然とする卓三だが、男の方は気にする風でもなく少女に語り掛けていた。 まるで彼の行動を待っていたかのように、更に何事か追加で囁きかけてみせる。 「んんっ……はあぁぁっ……」 甘い吐息を吐きながらも、男を見上げたチカはイヤイヤをするように首を振った。 美しいというより愛らしく整った顔立ちを、悲痛なほど歪ませて、目尻にはたっぷ りと涙を浮かべて。 けれども、その抵抗は長くは持たなかった。 リードを握る男の目に冷たい炎が宿ると、少女は諦めたように目を伏せ、身体の向 きを反転させていく。 キュッと引き締まった未成熟なヒップを曝け出していた。 「……イヤ……見ないで」 チカが初めて人の言葉を吐いた。 「お、おい……そんな……嘘だろ?!」 卓三は声を上ずらせて唸った。 「くくくっ……どうです、おじさん?」 若い男は、喉の奥で笑いながら訊いた。 本当は目を逸らせないといけないのだろう。 けれども卓三の両目は、少女の下半身に釘付けになったまま離れようとしない。 おぼろげな街灯の明りを受けて、剥き身のゆで卵のような双丘を。 その下に潜む女の部分。柔肉の狭間を。 その恥肉のスリットを貫いている……?! ヴゥーン、ヴゥーン、ヴゥーン…… 「どうです、おじさん。チカが震えている理由がお分かりになりましたか?」 「あ、ああぁ……確かに……」 少女自身がずり落としたコートの件が尾を引いているのかもしれない。 卓三は曖昧ながらも頷いていた。 「でしょう。よかったね、チカ。オマ○コから生やしている尻尾を認めてもらえて」 「あはぁぁっ……ダメェ、んんっ……はふぅんんっっ!」 それは、バイブだった。 グリップだけを残したバイブが、サーモンピンクの亀裂を割り拡げるように、深々と ヴァギナに突き刺さっていたのである。 「いつから、散歩を?」 「そうですね、1時間ほどでしょうか」 「えっ! 1時間も、バイブを挿入させたまま散歩を?」 淡々と話す男の説明に、卓造は衝撃を隠せなかった。 そして男を習い自分もしゃがみ込むと、潤いすぎたチカの股間を凝視する。 なるほど、男が話す1時間は嘘ではなさそうだった。 呻りながら小円を描くグリップの先で、おそらく膣肉は相当掻き回されているのだろ う。 おびただしい量の愛液が割れ目の縁から溢れ出し、内股から膝のあたりまでをべっ とりと濡らしている。 邪魔な北風が吹き付けなければ、ここまで淫水の匂いが届きそうな具合だった。 俺と出会うまでに、この少女は何回気をやったのか? 人通りが途切れたとはいえ、俺みたいな酔っ払いの目を気にしながら、惨めな姿を晒 して。 吹きっ晒しの寒風の中で。 (いったい、この男は何者なんだ? どうして、このチカって少女はこんなバカげ たプレイに付き合っているんだ? どう見ても本意とは思えないが) ズボンのフロントを膨らませたまま、至極当たり前の疑問を展開させる卓造。 だがその疑問の答えを探し出す暇はなさそうだった。 ヴゥーン、ヴゥーン、ヴゥーン…… じゅにゅ、じゅにゅ、じゅにゅ……ぬちゃ、ぴちゃ…… 「だめっ、あっ、あぁぁっっ……イク、イク……イキ……ます……イヤァァァッッ ッ!!」 お腹に溜まった空気を全部吐き出して、チカが絶頂したのだ。 男と卓造の真ん前で、唸るバイブを脂肪の付ききっていない太股が挟み込んでいる。 美しい背中のラインが湾曲し、せり上がった両肩がブルブルと痙攣する。 どぴゅ、どぴゅ、どぴゅぅぅっっっ!! 「ううっ……はあぁ……」 それを目の当たりにした卓造は、下半身がすっと解放されるのを感じた。 不覚にも、バイブで昇りつめた少女に感化されて射精していたのである。 それも、ズボンの中で。 「どうも驚かせてしまったようで、すいません。ホント、盛りのついたメス犬を管 理するのは、骨が折れるんです」 泣き腫らしたように真っ赤な瞳のまま、チカは肩で息をしていた。 その少女の花弁では、今もバイブが暴れ続けている。 次の絶頂の準備に移ろうと、蕩けそうな秘肉を刺激し続けているのだ。 「では、失礼します」 男は、唖然とする卓造を残して去って行った。 四つん這いのまま腰をくねらせるチカを引きずるようにして。 「夢にしちゃあ……出来過ぎだよな……」 卓造は、冷たくなったズボンの前を手で拭った。 この作品は「羞恥の風」とっきーさっきー様から投稿していただきました。 |