『ブルマとレズと時々セックスと』 とっきーさっきー:作 第12話 女の子どうしの恋はダメですか? 今日の治彦はどうかしていた。 『ブルマ』という、フェチなアイテムに男心を萌えさせる少年は、可憐な少女を前に、 この時、この場所で…… 「好きなんだな? 山中は智花のことが。女どうしのくせして」 「す、好きになったらいけないの? 女の子どうしだから、がまんしろって言うの?」 赤らんでいた真由美の頬を、光るものが伝った。 両手の拳を強く握りしめ、肩をブルブル震わせながら、治彦とのわずかな間合いを彼 女自ら一気に詰めた。 「でも知らないんだろ? 智花の方は……山中が思ってることを」 「……」 「それに智花は、俺の彼女だからな。あいつとは何度もセックスをして……」 「イヤ……それ以上は話さないで……」 手を伸ばせば抱きしめられる。 顔を突き出せば、桜色の唇を奪うことも可能である。 愛し合う恋人の距離で、二人は向き合っていた。 お互いに、ここにはいない人を想いながら、複雑な色をした瞳を交わし合いながら。 「智花は来ない」 「でも、さっき……」 「それよりも、山中は智花となにがしたいんだ? 女どうしだと、セックスなんて出 来ないだろ?」 「セックス……セックスって、どうしてアナタは……」 男女のつながりを示す単語が、妖しい雰囲気を醸し出していく。 性の用語に触れては拒んできた真由美が、恨めしそうな声だけを漏らしていた。 (ここが責めどころだぞ。一気に押せ!) そんな治彦の胸に、鬼畜な面をつけた男がささやいてくる。 お前はいったい誰なのだ? 問い詰める前に、少年の唇は突き動かされるように開いた。 「見せてみろよ」 「み、見せるって……?」 「智花と付き合いたいなら、その身体を俺が見てやるって言ったんだよ。智花の彼氏 である俺が、あいつと愛し合うのに相応しい身体かどうか……」 言っていることはムチャクチャである。 声にした瞬間、目の前の少女が逃げ帰れば、自分の一生は終わる。 そんな警告を、胸の隅に追われた理性がささやくように訴えてはいる。 「本気なの? 犬山君……」 「あぁ、俺はいつも本気さ」 しかし、真由美は逃げなかった。 遮るものが見当たらない校舎の屋上で、気取って言い返す治彦の目をじっと覗きこん でいる。 「わかったわ……脱げばいいのね……」 十秒……二十秒…… 無言の間が開き、真由美は答えた。 腰のあたりで握りしめていた拳をほどくと、その手をブラウスの胸元に当てた。 深紅に染められたタイリボンを、するすると引き抜いた。 「全部、脱ぐのか?」 「そう、着ているものを全部……そうしないと、犬山君は観察できないでしょ? わ たしの身体……」 問われて、訴える声音は細く身震いしていた。 けれども真由美は、威嚇するような目を向けると胸を突き出してみせる。 その上体を包む白いブラウスに、上から下へと指を走らせ、留めボタンを一つ残らず 外した。 「くっ……んんっ……」 急いで噛んだ唇が、呻きを漏らす。 はだけた襟首を指で摘まむと、真由美はブラウスを脱いだ。 しかし、その手は休まない。 薄汚れたコンクリートの床に、たたむことなくソレを落とすと、下半身を覆うチェッ ク模様のスカートへと。 ウエストを留める金具を、細い指が撫でた。 縦に走るファスナーを、細い指が引いた。 「はぁっ、くうぅっ……」 噛みしめた唇から、さっきよりも強めな呻きがこぼれる。 脇を固く絞めたまま、真由美の腕はゆるめられたスカートに宛がわれ…… 「俺に観察させるんだろ?」 治彦が声を吐きかけ、少女の強く掴み締めた指がほどけた。 シュル……ファサ…… 「あ、あぁぁ……嫌ぁ……」 風に煽られながら舞い落ちていく。 律儀に折り刻まれたヒダを揺るがせながら、赤と黒がクロスするスカート地が真由美 の素足を撫で下っていく。 「ひゅぅ♪ 白じゃん」 「やぁ、見ないで……」 思わず口笛を吹いた。 ブラジャーとパンティーと、純白のランジェリーを貼りつかせた女子高生の肢体に、 治彦の下腹部は一気に硬化される。 「まだ残ってるよな。二枚も……」 ブラカップを押しつぶすように片腕が。 乙女の秘処を覆う薄布をカバーさせるように、手のひらが押し当てられ…… 治彦はつぶやいていた。 羞恥に震える若い女体の、上と下とを交互に指差しもした。 「素っ裸になるって言ったのは、山中の方だろう」 トドメの声も追加させた。 「ぬ、脱ぐから……でも、見ないで……」 「見なかったら、観察できっこないじゃん」 女の子なら当然の矛盾した願いも、軽々しい言葉遣いで切り捨てた。 「はぁぁ、あぁ……」 木の葉のように股間に添えた手のひらを、真由美は背中へと回した。 ブラを押さえる片腕が、力を増しながら胸のふくらみそのものを押しゆがめていく。 カチッ…… 留めホックが外される。 そんな響きを治彦の目が感じた。 肩に引っかかるストラップが、見た目にもゆるめられる。 「手を外しなよ」 治彦に操られるように、乳房に食いこむ腕が離される。 その途端、愛らしい刺繍に彩られたブラジャーが、力尽きたようにずり落ちる。 「やだ、恥ずかしい……」 美しい乳房だった。 お椀を伏せたような、きれいな半円を描くふくらみであった。 それが治彦の目に晒されている。 たとえ羞恥の声をあげても、今さら隠すことは許されない。 そう心に秘めているのか、真由美は泣き顔のままに両手を腰に添える。 シュル、シュル…… 「わたし……くぅ、こんなことまで……」 この作品は「羞恥の風」とっきーさっきー様から投稿していただきました。 |