『官能の国~Shy Land』ありさの巻 Shyrock:作 第2話 「ねえ、アリス、触手と言ってもバーチャルだよね?なんでショーツを脱がなきゃ いけないの~。それに手足を固定するって言ってるし・・・」 「もしかしたらバーチャルだけじゃなくて本当の触手が現れるのかもよ~。なんか、 アリス、ドキドキしてきたぁ~」 「そ、そんな呑気なこと言ってる場合じゃないよ~。あんな気持ち悪いの、バーチ ャルならまだ我慢できるけど、リアルに現れたらありさ卒倒しちゃう・・・」 「うふ、オトコのナニに似たのがニョロニョロといっぱい現れるかもよ~ん?」 「や、やめてよ~。私、やっぱり行くのやめようかなあ・・・」 誘うアリス、ためらうありさ、2人がなんだかんだと言っている間に、いつのまに か最前列まで来ていた。 入場口附近の係員から「どうされますか?」と尋ねられ、さらには、うしろに並んで いた女性から「入るか入らないか早く決めて欲しいんですけど・・・」と催促が飛ん できた。 ありさが依然ためらっていると、アリスがありさの腕を掴み、強引に入場してしま った。 「えっ!?えっ!?マジで入るの!?ありさ、やっぱり恐いよ~」 「だいじょうぶ、だいじょうぶ~。ホラーハウスじゃないんだから~。ありさは2番 目の部屋だよ。じゃあ、またあとでね~!」 「ちょっとちょっと、待ってよ!アリスったら~!」 アリスはありさを置いて先に大きな文字で『1』と書いてある部屋に入ってしまっ た。 「あぁぁ・・・行っちゃったぁ・・・仕方ないかぁ・・・でも気持ち悪いなぁ・・・」 ありさは『2』と書かれた部屋の扉を恐る恐る開いた。 中はシンプルな作りで、奥行き、横幅、ともに5メートルほどの大きさで、正面にス クリーン、入って直ぐに場所に椅子が配置されていた。 まもなく、どこからともなくアナウンスが流れてきた。 『ようこそ~『触手3D体験館』へ。あなたは神官戦士。魔界に連れ去られたお姫様 を助けるために、あなたは神官戦士となって魔界の奥深くへ忍び込んできました。多 くの敵を倒し、ついにお姫様の囚われている城へ突入しようとしたところへ、淫獣ザ ッハークが現れました。ザッハークは緑色をした化け物で身体には無数の触手が生え ています。武器のロングソードを駆使して、敵の触手を次々に切り裂いていってくだ さい。あ、でも、少し前に遭遇した敵に痺れ薬を吹き掛けられて、まだ腕が痺れてい ます。うまく剣が操作できるか少し不安はありますが、まあ、何とかなるでしょう。 では、ご幸運をお祈りしています!』 「ご幸運を祈っています、ってそんな無責任なぁ・・・。痺れた手でどうして剣を 扱えると言うのよ~・・・まったくひどい設定・・・(--;)な~んて、ぼやいて ても仕方ないし、とにかく椅子に座るしかないか・・・」 ありさは諦めて無機質な作りの椅子に座った。 その瞬間、部屋の照明が消えてしまい、真っ暗になってしまった。 「ぎゃぁぁぁぁぁ~~~!ありさ、真っ暗は苦手なのぉ~~~!エッチの時はいいん だけど(ブツブツ)。少しだけ灯り点けてよ~~~!」 反応はない。 しばらくすると、またアナウンスが流れてきた。 『お席に掛けていただきましたか?では最初にショーツを脱いで、その後、ヘルメ ットを冠ってください』 「ったくもう~・・・なんでショーツを脱がなきゃならないの・・・」 ありさはぶつくさ言いながら、その日穿いていたTバックショーツを脱ぎ、左側の ケースに放り込んだ。続いて指示どおりにヘルメットを冠る。ヘルメットは耳の辺り まですっぽり填まる仕掛けになっていて、ヘッドホーンが装備されていた。 ありさはヘッドホンをつけて、椅子の肘掛けに手を置くとガチャリと音がした。 「きゃぁぁぁぁぁ~~~!マジで腕が固定されてしまったぁ~~~!これじゃまるで SMハウスじゃん~~~ひぇぇぇぇぇ~~~!」 今度はヘッドホンからアナウンスが流れてきた。 『左右の肘掛けの指の辺りにそれぞれボタンが付いています。右側のボタンを押すと 剣を操作することができます。左側のボタンを押すと盾を操作することができます。 両方をうまく操作すれば、敵を倒せるようにプログラムされています。でも、もし失 敗したら・・・(ゴホン)とにかくあなたのご幸運をお祈りしています!』 「失敗したらどうなるって言うのよ・・・もう気になる言い回しするんだからぁ・ ・・。え~と、練習、練習・・・右が剣で、左が盾かぁ・・・」 (カチャカチャ) この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました |