『球 淫獣の洞窟』 Shyrock:作 第12話(最終話)夢か現か 「怪物なんかに感じさせられて堪るものか」という強い気持ちはあるのだが、身体 だけが勝手に一人歩きしまう。 波が引いたかに思えても、直ぐに押し寄せてくる高波。 それは鮮烈な快楽の訪問者。 球はしばしば身体を痙攣させ、意志とは裏腹に絶頂に達してしまった。 「ふはあんっ、んぁはぁっ・・・ふうあっ・・・ふ、ふあ、ふああっ、ふあああああ あっ」 (チュチュチュ~~~!) 亀裂の奥でストローでジュースを啜るような音がした。 妖獣に付着している疣が一斉に活動を開始したのだ。 溢れさせたシロップを強い吸引力で吸い込んでいく。 (もう、もうだめ!もう許して!いやっ!狂っちゃう!いや!やめてっ!もう吸わ ないでぇ~!いや~~~!ああぁぁぁ~~~!) ◇◇◇ 「おい、球!どうしたんだ!?さっきからすごくうなされているけど」 「・・・? ・・・・・・!?」 突然耳元で聞こえた謙太のつぶやきに球は気がついた。 だが何が何だか訳が分からない。 ゴムボートの上で球は仰向けに寝転がっていた。 直射日光を避けるため、誰かが顔にタオルを掛けてくれている。 掛けてくれたのは謙太しか考えられないのだが。 その謙太はと言えば足元に座り、球のパンティをずらしてクンニしているところだっ た。 「え~??妖獣は!?イソギンチャクは!?」 「何を寝ぼけているんだよ。そんなものどこにもいないよ。」 「うそ~!それじゃあ、今の全部夢だったの~?」 「怖い夢でも見てたんだな?俺が博之のボートにドリンクを取りに行って、ここに戻 ってきたら、球はスヤスヤ眠ってたよ。」 「え~?眠ってた・・・?そうだったの・・・。」 「で、球は起きるのを待っていたんだけど、全然起きる気配が無くて。仕方なく顔に タオルを掛けてやって起きるのを待ってたんだ。でもさ、球が足を広げて眠っている 姿を見ているうちになんかムラムラ来ちゃってさ~。パンティをずらしてペロペロし ちゃったってわけ。どんな夢を見たのか知らないけど気にすることないよ。」 「うん、そうだね。でもリアルだったなあ。実はさあタコのお化けとエッチしちゃ ったのぉ~。」 「タコのお化けと・・・エッチ?わっはっはっは~!バカだなぁ~。最近タコの刺し 身でも食べ過ぎてタコに恨まれているんじゃないのか?わっはっはっはっはっは~~ ~!こりゃ傑作だ~!」 「もう~。笑わないでよぅ。夢の中ではマジで怖かったんだからさぁ。」 「で、タコとエッチして感じたの?」 「ん・・・?うん、ちょっとだけ感じたかな?ごめんね、謙太以外で感じちゃって」 「はっはっは~!夢だしおまけに相手がタコなら別にいいよ~。それよりさぁ、か なり沖に来ちゃってるし、ここなら誰も見てないし、1発やろうよ。俺、さっきから もうビンビンになっちゃって。」 謙太はボートが転覆しないようにバランスを取りながら、球をそっと抱き寄せた。 唇を重ね合って、球の身体を隈なく愛撫する謙太。 球の股間に指が伸びた時・・・ 驚いたことに、ずらしたパンティから信じられないものが現われた。 それは1匹のイソギンチャクだった。 「ええ~~~っ!!イソギンチャクがいるじゃん!いつ入ったの!?」 「う、うそ~!イ、イソギンチャクが!?マジで!?」 「マジも何もほら見てごらんよ!」 球は蠢くイソギンチャクを見て思わず絶句してしまった。 「し、しかも!コイツ、球の大事な場所をいたずらしてるじゃないか~!ムカッ!コ、 コイツ~!」 謙太はイソギンチャクを掴んで、大海原に放り投げてしまった。 「はは~ん、アイツがパンティの中に入って球にいたずらしてたから、変な夢を見た んだな~?」 「にゃっ、そうかも」 謙太の言葉に相づちを打ったものの、球にはイソギンチャクや妖獣との交わりが夢 ではないように思えてならなかった。 今でもあの時の感触が身体の奥底に鮮やかに残っている。 妖獣たちに犯されたのは本当に夢だったのか・・・ それとも・・・ 謙太はどこかノリの悪い球に些かの不満を感じながらも、懸命に腰を動かすのだった。 完 この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました |