『球 淫獣の洞窟』 Shyrock:作 第1話 白いビキニの球 梅雨が明けた7月、球の携帯の着メロが軽やかに鳴り響いた。(スマホがまだ登場 していない時代のお話です) 「 はい」 聞き慣れた声が聞こえて来た。 それは彼氏の謙太からであった。 「球?今週日曜日湘南へ行かないか?俺、もう海が恋しくてさ。実はさあ、博之と ミキからダブルデートをしようって誘いがあったんだ。で、一応球に聞いてから返事 するって答えたんだ。どう?行く?」 「にゃっ!いいよ!行こう~。でも今年まだ水着買ってないの」 「いいじゃん。去年のでも。球はスタイルがいいから何を着ても似合うさ」 「にゃんにゃん~!そんな嬉しいこと言っちゃってさ~。口がうまいんだから~。」 「はっは~!じゃあ、今度の土曜日、クルマで球を迎えに行くからね。準備して待っ ててね」 謙太の運転するクルマは4人を乗せて、国道134号線を西へ西へとひた走った。 交通渋滞が予測されたため、早朝に出たのが正解のようだった。 お陰で割りとスムーズに湘南にたどり着くことができた。 球たちは片瀬東浜海水浴場に向かった。 江ノ島の東側にあって、とても人気のある海水浴場だ。 片瀬東浜はすでにかなりの賑わいを見せていた。 ギラギラと太陽の降りそそぐ中、球たちは早速着替えて砂浜へ出て行った。 球の水着は真っ白なビキニであった。 腰にショートパレオを巻いている。 この夏、素肌を太陽に晒すのは初めてのことで、色白な肌が何とも艶めかしかった。 19才としては実に大人っぽく、既に女の色香をムンムンと漂わせていた。 167センチと背も高く、モデル張りのプロポーションを持ち、胸の隆起、腰のくび れ、どこをとっても実にバランスがよく、パレオからスッと伸びた美脚は特に人目を 惹いた。 あえて俗っぽく表現するなら『男好きのするカラダ』と言えた。 球たちは、沖には行かず浜で遊んでいたが、博之からひとつの提案があった。 ゴムボートを借りて、沖のブイが浮かぶ辺りまで行こう、と言うのである。 ゴムボートは二人乗りだったので、4人は2組に分乗することになった。 4人は謙太・球組、そして、博之・ミキ組に分かれた。 二艘は最初並んで波間を揺らいでいたが、しばらくすると次第に離れていった。 それぞれが2人きりになりたかったから当然であったかも知れない。 球たちのボートから、博之とミキの姿が僅かに確認できるほどの距離になった。 よく見ると博之たちが抱合ってキスしているではないか。 「おおっ!早速やってるじゃん~!くう~、じゃあ俺達も・・・」 そういいながら謙太は球を抱き寄せて唇を重ねてきた。 ただボートはバランスを崩すと転覆してしまうので、謙太は慎重だった。 ふたりはバランスを保ちながら、ややぎこちなくはあったが抱擁を続けた。 謙太の舌先が球の口内をまさぐる。 左手は球の肩に、そして右手は・・・ この作品は「愛と官能の美学」Shyrock様から投稿していただきました |