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『自衛官の妻』
二次元世界の調教師:作
第6話 夫を裏切る肉体
「タカくーん、入ってもいい?」と、その時まるで計ったようなタイミングで書斎
のドアをノックされた。
俺は慌ててペニスをジャージの中にしまい込み、ノートパソコンを閉じてから自分で
内側からドアを開けた。
「まだお仕事やってるの? お夜食作って来たよ」
「お、ありがと」
むすび2個と漬け物とお茶を盆に載せた千恵利が入って来た。
俺と同じようなゆったりしたホームウェアは色気もくそもなく、画面の中の淫女と同
一人物とはとても思えない。
「あれ、パソコン閉じちゃってる」
「もう仕事終わったから」
床に飛散した精液は処理出来ていないし、千恵利はどうやら俺が仕事のフリしてこっ
そりAVを見ながらせんずっていたのだと勘付いているようだ。
AVなんかじゃないのを除けば正解だし、実の所こういう事も時々あるのだ。
千恵利がわざとらしく言う。
「ねえ、今度からタカ君の部屋に用事がある時は、奈々ちゃんに来させたげよっか。
かわいい娘の方がいいんじゃない?」
「いや、やっぱり千恵利の方がいいよ」
お年頃の奈々は、父親が書斎の中にこもっていかがわしいビデオを鑑賞するのが趣
味である事に気付いているだろうか。
思春期の息子を持った母親のような寛大さをまだ性に目覚めて日の浅そうな少女に求
めるのは無理に決まっている。
「奈々ちゃんに来られちゃ困っちゃうよね-。あ、後でちゃんと床拭いといてね」
バカな夫に呆れて苦笑しながら出て行く千恵利を見送る時、どうしても彼女のお尻
が気になってしまう。
アナルに優れた性感帯が存在すると言う知識はあったのに、これまで一度として千恵
利のその部分を愛してやった事がなかったからだ。
さっきの動画で見る限り、千恵利は夫である俺でなく憎むべき佐々木の手でアナルの
歓びに目覚めてしまったのだ。
俺とのセックスではあんなに乱れてしまう妻を見た事はない。
そう言えば確かに千恵利がおととい俺を求めて来た時、尻穴の快楽をアピールしてた
ではないか。
今からでも遅くない。
今度彼女を抱いてやる時には、必ずアナルも愛してやるべきなのではないか。
だが千恵利を見送った後、大量射精で冷静を取り戻した俺は、そんな気の迷いを持
った自分を諫める。
どうして佐々木に教えられた事を尊重する必要があると言うのだ。
そもそもお互い中年の域に達した俺達夫婦にとってセックスはさほど重要な要素では
ない筈で、現に性交の回数が激減した今でも二人の愛情に些かの揺らぎもないではな
いか。
俺は頭を冷やす意味でも、折角千恵利が持って来てくれた夜食に口を付ける事とし、
むすびを平らげ気を落ち着かせてから動画の続きを見る事にした。
ここで一息入れたのは正解で、あのまま後半まで見続けていたらとても耐えられなか
ったかも知れない。
そのくらい、動画の続きはさらに淫虐で俺にとっては酷な内容だった。
潮吹きオナニーなどと言う過激な「お仕置き」の後、佐々木は何の遠慮もなく人の
妻千恵利と交わっていた。
既に何度も情を交わし屈服させられた後のようで、極めて従順に「ご主人様」佐々木
に身体を預けごく普通の性戯にも歓びを露わにしてしまう千恵利の姿も正視に耐えな
かったが、佐々木はいちいち俺の気に触るような言葉を吐きながら余裕タップリにか
つての想い人千恵利を責めていたのである。
まず床に正座させた千恵利の前に仁王立ちになった佐々木は勃起ペニスをくわえさ
せ、ポニーテールを乱暴に掴んで揺さぶるイラマチオを仕掛ける。
おとといの夜、千恵利が俺に要求したプレイではないか。佐々木は強精なのか、実に
アッサリ千恵利の口内に射精していた。
「おいしいかい? チェリー」
「はい、ご主人様のお情けはとっても素敵です」
「孝志さんのをごっくんしてやった事はあるのか?」
「いいえ、ありません」
「そうか。それじゃ近い内にやってやれよ」
「はい」
「ゴックンだけじゃねえ。俺が教えてやった気持ち良いセックスの方法を、出来るだ
け夫の孝志さんにも試してみるんだ。そして次の日俺に報告しろ」
「わかりました、ご主人様」
あのビックリするくらい情熱的で俺を夢中にさせた、一昨夜の千恵利のセックスが
佐々木の命令によるものだったと知って、俺は暗澹たる思いに囚われた。
これでは全くのピエロではないか。
だがこの茶番劇を見せ付けられるに連れて気分が塞がっていくのと反比例するよう
に、全身を揉み抜くような強烈な興奮のうねりが込み上げて来るのに気付いた俺は愕
然とする。
さっきあれだけ大量に放精したにも関わらず、猛烈な勢いで回復して来た股間の昂ぶ
りを再び握り締めた時、俺はハッキリと自分の中に眠っていた変態性を自覚してしま
った。
愛する妻が唾棄すべき男に抱かれる場面を見せ付けられて、彼女と愛し合う時よりは
るかに凄まじい興奮を覚えてしまったのだから。
「ビデオに取ってタカ君に見せてやるんだからな。遠慮なく楽しんで、見せ付けて
やるがいい」
「ああ、そんな、ご主人様。酷過ぎます」
「今更お澄まししようたって無駄だぞ、チェリー。ほう~ら、お前の大好きなチンポ
を喰らうんだ」
「ああ~っっ!!」
「気持ち良かったら、素直にそう言え。タカ君が見てるからって、嘘は吐けねえよな」
「気持ちいいっっ!!」
画面の中の佐々木はまるでそんな俺の反応を予測していたかのように、いろいろと
体位を変えてじっくり千恵利と交わり、彼女から露骨な歓びの声を搾り取っていた。
千恵利は自白剤を飲んでいるから取り繕う事は叶わず、快感を覚えれば素直に口にす
るよりないのだ。
長々とした性交が続くに従いどんどん高まってしまう千恵利が、俺には聞かせた事
のない、すすり泣きのごときあえかな嬌声や絶叫のような激しいよがり泣きと共に
「気持ちいい」と告げているのは、決して操られているわけではない。
嘘偽りのない本心からの吐露であり、夫である俺にとっては辛い現実だった。
さらに催眠術に掛かっているためか、やつの言葉は千恵利にとって逆らえない絶対の
命令となるようで、騎乗位で繋がっている時にじっと身を固めようとする千恵利に佐
々木は言った。
「チェリー、どうして動かない?」
「それは……夫に申し訳ないからです」
「じゃあ、どうして俺とセックスしてるんだ?」
「ご主人様のご命令ですから」
「それじゃ命令してやろう。俺のチンポが気持ち良かったら、もっと良くなれるよ
うに動くんだ、チェリー」
「ああっ! 駄目っ! 駄目っ! 気持ちいい~っ!」
「孝志さんに謝りなさい」
「た、タカ君、ごめんなさいっ! ああ、いいのお~っっ!!」
何と言う冷酷な佐々木の命令だろう。
俺に向かって謝りながら、どんどん腰の動きが浅ましくなり慎みを失っていく千恵利
を見るのは胸が潰れるような思いであった。
そして激しく動いていた千恵利がとうとうスパークしてしまい、イクッ! と絶叫し
て背筋をピンを反らして動きを止めると、又も佐々木が口を出した。
「なあ、チェリー。夫の孝志さんと俺と、どちらのチンポの方がデカイんだ?」
「ご主人様の方です」
「じゃあ、どっちの方が気持ちいい?」
「……ご主人様」
「そりゃ正直過ぎるぜ。孝志さんに申し訳ないと思わないのか」
「思います。だけど、ご主人様の方が気持ち良いのも本当ですけど、タカ君の方は一
緒になってるだけで幸せなんです。彼を愛してますから」
「ほう、そいつは妬けるね。けど、そんな事を言ってる割には又腰が動き出したぜ、
チェリー。お前、ホントに好きなんだな、セックスが。とんだビッチだぜ」
「だ、だって! 気持ちいいんだもん! 気持ちいい事、好きい~!」
「やれやれ、欲求不満の浮気人妻には困ったもんだな」
「タカ君、ごめんなさい! 千恵利、イッチャウ、又イクのおっっ!!」
俺のテンションは乱高下したが、この不道徳なビデオから一時も目を離す事は出来
なかった。
そして堂々と千恵利の体内に精液を注ぎ込んで、ようやく一戦を終えた佐々木は彼女
を普通の服に着替えさせながら、こんな事を言った。
「なあ、チェリー。ずっとここへ来て俺と会ってくれよ」
「はい、ご主人様」
「夫と別れる気はないか?」
「そんな事、考えられません」
「俺との関係を夫の孝志さんに知られたくはないよな」
「もちろんですわ」
「もし、バレたらどうする? それでも結婚を続けるか?」
「もう妻としてあの人に合わせる顔はありません。ですから、ご主人様……」
「おいおい、俺はチェリーを嫁に貰おうなんて気はないぞ」
「そうなんですか……残念です」
ーーちょっと待て! 千恵利、本気で言ってるのか?
絶対に嘘を吐けない千恵利の言葉を聞き逃すまいと必死で聞き耳を立てていた俺は、
彼女が佐々木と交わした最後の会話から、厳しい結論に達した。
佐々木との関係が俺に知られたら、千恵利は自分の行動を恥じてやつの女になってし
まうに違いない、と言う事だ。
「それでは今日は終わりにしよう。この部屋であった事を、お前は全て忘れてしま
う。でも命令された事は実行するんだぞ、いいな。ハイッッ!!」
だとすれば、佐々木の術に掛かっていた間の事を全て忘れてしまう千恵利に、その
記憶を取り戻させてはいけない。
まして、俺が彼女を問い詰めて真相を知らせるなどと言う乱暴な手段に出てしまった
ら完全にアウトだ。
結局悔しいが佐々木の思惑通りになるしかないのか。
記憶を消去されて毎日佐々木の待ち受けるカフェまで仕事に出掛ける千恵利を止め
る事も出来ないのだ。
彼女はそのように命令されているのだから。
千恵利との幸福な結婚生活を続けるためには、彼女をみすみす佐々木に抱かせてやる
よりないとは、何と言う不条理だろう。
俺は何とか打開策はないかと考えてみたがまるで思いつかず、絶望感に打ちひしがれ
るような一夜を明かしたのだった。
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