『調教家族』

                          二次元世界の調教師:作

第1話 受験生の憂鬱

 ーーダメだ。ちっとも集中出来ない……

 勉強机に向かって数学の問題集を開いてみたけれど、まるきりダメだった。
小さな数式の羅列を目にしただけで全く頭がまともに働いてくれそうにないのだ。
原因はわかっている。
ジャージズボンを突き上げて、ひどく刺激を欲しがってるペニスの欲情だ。

 まるでドックンドックンと音を立ててるかと錯覚するくらい勢い良く脈動する肉棒は、
やはり吐き出さないと治まってくれそうにない。
こんな事してる余裕なんかないのにと思いながら、僕は絶対勝てっこない生理的欲求に
白旗を上げ、ジャージに手を入れつつスマホに手を伸ばした。

 又今日も、勉強そっちのけでオナニーに精を出してしまう意志薄弱な僕は上田翔太。
近くの普通科高校に通う3年生で、2学期に入った今は受験勉強も盛り。
冗談抜きで寝る間も惜しんで勉強しなくては、目指す国立大学に合格するのは難しいと
思う。
オナニーに罪悪感を覚えるほど堅物ではないつもりだが、勉強が手に付かないほど出し
たくなるのは困ったものだ。
ここ数日は特にひどく、1発抜いても1時間くらいすると又ムラムラして股間に手が行
ってしまう。
たぶん5回くらいは射精してると思うんだけど、受験のストレスなんだろうか?

 実は今僕の置かれた状況は深刻だった。
もともと病気がちだった父さんが亡くなったのは、半年くらい前。
母さんが再婚に踏み切ったのも、僕の大学受験費用のためだろうと理解している。
先週やって来た新しい父さんにもはっきり言われたばかりだ。お金の心配はいらないか
ら、目指す大学を目標に勉強を頑張りなさいと。

 母さんは、何でも良いから自分の好きな道に進みなさいと言ってくれてるんだけど、
長男である僕に大学進学を期待しているのは明らかなのだ。
家にはまだ短大生の姉さんと高一の妹もいるのに、何かに付けて翔太は男だからと言わ
れ続け良くも悪しくも特別扱いされて来たと思う。
自分の部屋を持ってるのも僕だけだし。おかげで、勉強机でオナニーする悪癖が付いて
しまった気もする。

 高校に入るまでは個室を持ってなかったのでエッチな本の置き場所にも困ったものだ
ったが、この頃は専らスマホでエッチなサイトを見るようにしている。
今も手早くお気に入りのエロサイトにアクセスし、画像を見ながらペニスを掴んだ手を
シコシコと動かした。

 ーーうおっ! メチャクチャ気持ちいいや

 こんな事してちゃダメだと思えば思うほど良くなってしまう。
僕はそういう人間の性を思い知らされるようで、拘束されたかわいい女子高生が制服の
スカートからモロ出しになってる白パンツに電マを押し当てられながら、口に男のペニ
スを頬張らされている画像をオカズに、たちまち弾けてしまった。
本当に理性が吹き飛ぶくらいの快感で、しばらくはブシャッと飛散してしまった精液の
後始末も忘れ、呆然としてしまったくらいだった。
だから、千秋姉さんが部屋に入って来てから慌てても手遅れだったのである。

 「翔太ー、入るよー」
「あ、ちょ、ちょっと待って」
「何慌ててんの? あー、なるほどねー。1人えっちしてたんだー」
「頼むから出てってよ」
「いいから早く床拭きなさいよ。セーエキ飛び散ってるぞお」
「たく………」

 姉さんに逆らっても無駄なので、僕は仕方なく床をティッシュで拭くと、机の上に置
いてあったレポート用紙を手渡す。
短大で出された英語の課題だそうで、すき焼きのレシピを書けと言うものだが、英語な
んかからっきしの姉さんが僕に押し付けたのだ。
これは姉さんが商業高校に通ってた頃からいつもの事で、宿題をやってあげるかわりに
部屋の掃除をしてもらう約束になっている。

「ホラ、出来てるよ」
「サンキュー! さっすが翔太だね。はい、サービス」

 うわっ! 背後ににじり寄って来た姉さんが、僕の手を取って胸の膨らみに押し当て
て来た。
もともと母さんが勉強嫌いな姉さんの宿題をやる代わりに部屋掃除と言うルールを作っ
たんだけど、こんなエッチな事が行われているとは思ってもいないだろう。
母さんはとても潔癖な人なのだ。が、金髪で肌を焼きメイクもケバい千秋姉さんは性に
さばけたイマドキのギャルで、むっつりスケベを自認している僕はエッチな姉さんにい
つもからかわれているのだ。

 それに姉さんは外見はともかく、優しいしよく家事を手伝って僕よりよっぽど母さん
を助けている。
結構マメに部屋も掃除してくれるし、無防備で大胆、ハッキリ言えば露出狂気味な姉さ
んを見るのは、僕の密かな楽しみだった。

「ごめんね。今日スカートじゃないからパンチラ見せてあげられないよ。ね、翔太ココ
触ってみて」
「………すごく固い」

 いつもミニスカからパンチラを見せてくれたり、僕の股間がテントを張ってるのを指
で弾いてからかったりする程度の姉さんのカラダに着衣の上とは言え始めてタッチした
僕は、その柔らかさと弾力に興奮して動けなかった。
そして誘われるまま乳首に触れてしまい、石みたいにコリコリになってるのをカラカラ
になった咽から絞り出すように口にすると、姉さんは驚くべき言葉を発した。

「でしょ? あのう、翔太さ、オチンチン見せてくれない? まだセーエキ拭いてない
よね」
「何バカな事を………早く出てけよ!」
「母さんに言っちゃおうかな。翔太が勉強もしないでエッチな事してセーエキで床を汚
した、とか、アタシを襲ってムネ触って来た、とか」
「……卑怯だよ、姉さん」
「見るだけだから」

 やっぱり姉さんには勝てなかった。いつもパンツを見せてもらってるし、今乳首にま
で触れてしまった引け目もあるし、精液を後始末せねばならないのは事実だし。諦めて
ジャージを下ろして行くと、姉さんは興味津々と言う顔で覗き込み、その視線を意識し
た僕は不覚にもより一層ペニスをそそり勃ててしまった。

さらに、姉さんが処理してくれるのでは、と妄想したのは内緒である。
ティッシュで後始末をしていてもますます勢いが盛んになる一方で、全く萎える気配も
ない。
一体僕の体はどうなってしまったのだろう?

「小さくならないね。アタシが見てるから?」
「ああ、たぶん」
「恥ずかしい?」
「当たり前だろ!」

 もう解放して欲しい一心で怒鳴ったんだけど、股間の肉塊だけは僕の意思を裏切り、
痛いくらいに屹立を続けていた。そう、まるで姉さんに向けて。