『義姉さんは家庭教師』

                          二次元世界の調教師:作

第7話 義姉さんの告白(最終話)

 ーーうあっ! す、スゲエや、最高だよ、義姉さん。やっぱり外でヤルのは正解だっ
たな

 本当に他人に見つかる心配があったスリル満点の拘束リモコンバイブプレイの後で、
失神した義姉さんを門の中に連れ戻した僕は、すぐに目を覚ました春美さんと野外でや
ってみたかった「犬」プレイを楽しんだ。

 一見清楚で三十路の人妻なのにバッチリ似合っている春美さんのセーラー服姿は、胸
も股間も露出しまくりで見る者の劣情を煽るだけが目的になってしまっている。
そんなフェロモン出しまくりの美女の手足に、ボクシングみたいな指の別れていない大
きなグローブを嵌めて、自力では外せないよう外から紐で縛る。

 そうして首輪で引きながら四つ足で歩かせるプレイだ。
春美さんの股間を締め上げていた黒革貞操帯や二穴バイブも外してノー下着だけど、ク
リちゃんと乳首のローターはずっと緩やかに振動させて気分を盛り上げる。
そしてお尻に「犬」らしくフサフサの布地を「シッポ」として着けてあげたんだけど、
これがイボイボが刻まれた肛門調教バイブに繋がりブイーンと慄わせる趣向だ。

 見た目はかわいらしい「シッポ」だけど、アナルが弱い春美さんはヨチヨチと歩きな
がら大きなお尻をぶるっぶるっと悩ましく揺さぶるのが一時も止まらず、駄目駄目、ヤ
バイヤバイ、と弱音を吐き、アクメを堪えるので精一杯の様子だった。

 そんなエッチな「犬」に変身した春美さんを四つ足で散歩させながら、片脚を抱え上
げてオシッコさせたり、「ちんちん」ポーズを取らせてタップリ屈辱を味わわせる。
するとマゾの血を熱くたぎらせた春美さんが燃えるようなネットリした妖しい視線を送
って来るので、僕はご褒美に生身のチンポをくわえさせ、同時にリモコンを操って思い
を遂げさせてやった。

 不自由な四つん這いのお尻を高く上げて「シッポ」を激しく振りたくり次々にイッテ
しまう春美さんのオクチの奉仕は素晴らし過ぎて、僕ももったいない事に彼女の口内に
ドッと精を放出してしまう。
だけど、ゴクリと咽を鳴らして飲み下した後一滴も残さぬ丁寧さで亀頭の縫い目のミゾ
まで後始末をして貰ったおかげで、僕のペニスはまだまだ使用可能な硬度を保つ事が出
来た。

 そしてこの日は家の外の庭で、「犬」と化した春美さんと後ろから繋がり、何発も種
付けしてあげる事に成功したのである。
「ご主人様あ! お願い、雄二くんをご主人様と呼ばせて……あ、イクイク、又いっち
ゃうのお~っっ!!」

 やっぱり野外露出プレイでいつにもまして興奮してしまったのか、春美さんと来たら
ど派手にイキ狂ってしまった挙げ句、最後にそんなあり得ないセリフを吐いて又もや失
神してしまう有様だった。

 無論出来る事なら僕だって春美さんの願いを叶えてあげたい。
こんな美しくて淫らな年上女性に、「ご主人様」と呼んで一生尽くしてもらえるならば、
兄ちゃんみたいな金も権力もいるものか。
でもそれが絶対叶わぬ夢に過ぎない事も、僕は良くわかっている。

 春美さんとの性的な関係は彼女が身籠もるまでの期間限定で、その後も、何て人の道
に外れた罪に手を染められるわけがない。
兄ちゃんだって、僕がそんな外道な人間でないと信頼してくれてるんだし。

 そしてこの不道徳な関係がずっと続いて欲しいと言う密かな望みも虚しく、とうとう
終止符を打たねばならぬ時がやって来た。
春美さんがついに念願の受胎を果たしたのである。

 すぐに兄ちゃんに呼ばれて、春美さんと一緒にその朗報を聞かせてもらい、本当に嬉
しそうな兄夫婦を祝福しながらも、僕は複雑な心境だった。
童貞だった僕にとって夢のようだった、美しい兄嫁さんとの子作りセックスもおしまい
だ。

 兄ちゃんも春美さんもそんな事は一言も口にしなかったけれど、これで「種付け役」
はお払い箱だとわかっていたし、十分納得もしていた。
それに春美さんを孕ませたのが兄ちゃんでなく、本当は僕だなんてバレてしまったら大
スキャンダルだ。

 それでは誰も幸せになれない。
三島一族のためにも僕はもうこの件について口を閉ざし、何もなかったフリをするより
ないだろう。
だけど、大喜びで何でも欲しい物を褒美にやろうと言う兄ちゃんに、僕は未練がまし
い希望を告げた。

 「何もいらないよ。ただ、これまでと通り義姉さんに勉強を教えて欲しいんだけど」
「何だ、そんなの当たり前じゃないか。なあ、春美」
「もちろんよ。前みたいに雄二くん家に行けばいいかしら」
「そうしてもらえると、ありがたいよ」

 ーーマジかよ!? さすがにヤバいんじゃねえの、それは

 金輪際春美さんと一対一で接する事を禁じられるに違いないと思っていた僕は、あま
りにアッサリOKが取れて拍子抜けした。
性的関係については何も言われず、ただ兄ちゃんに本当にそれだけでいいのかと何度も
確かめられただけ。

 それはまるで、生殖能力のない兄ちゃんの代わりに僕が春美さんと性行為を行ったと
言う事実そのものが、存在しなかったかのような兄夫婦の態度だった。
もしかすると兄ちゃんは僕の事を信用すると言うより、半人前の若造だと見くびって、
もう二度と春美さんと間違いを犯すわけがないと思ってるのだろうか。
そして、春美さんも……

 確かに僕は兄ちゃんのためにと割り切り、言わば仕事として春美さんと関係を持った
だけだし、彼女の方もそうドライに考えていたに違いない。
もしかして春美さんが僕に対して恋愛感情を持ってくれたのでは、と錯覚したのは思い
上がりも甚だしいと言うものだろう。

 それに僕だって憧れの兄嫁さんに生まれて初めての「女」となってもらった事を良い
思い出として胸に秘め、後はこれまで通り仲の良い兄夫婦として付き合っていけば良い
だけの事ではないか。

 が、しかし。

 たとえ気分を盛り上げるための演技だったとしても、僕のペニスをまるで最愛の男性
のモノであるかのように手で口で慈しんで奮い立たせ、熟れ切った女性器の中に迎え入
れて愛おしく締め上げた挙げ句、精液が枯れ果てるまで吐き出させてくれた春美さん。

 「種付け」のためとは言え、童貞の僕を優しくリードして「男」にしてくれた義姉さ
んとの子作りセックスが、単なる打算による愛のない「作業」に過ぎなかっただなんて、
信じたくなかった。

 確かに初めはお互いぎこちなく戸惑いばかりが先立る「体だけの関係」だったけれど、
回数を重ねる毎に体だけでなく心まで通じ合って来たと思ったのだ。
最後に僕の事を「ご主人様」と呼ばせてと懇願した春美さんの媚態が演技だったと言う
のか。

 僕はどうしても割り切れないものを感じてしまう事を禁じ得なかった。
こんなモヤモヤした気持ちで、春美さんに再度一対一の家庭教師を依頼したのは間違い
だったろうか。

 さっそく再開した僕の家での勉強会に来てくれた春美さんは、もちろん僕を誘惑した
露出過剰な衣装でなく、本物の女教師みたいな黒スーツを着こなした「先生」になって
いて、一部のスキもないように思われた。
教え方はやはり丁寧で分かり易く、しかしどことなくよそよそしい態度を崩さない春美
さんを見ていると、あの子作りに励んでいた数週間は嘘だったかのようだった。

 ところがその日何事もなく授業を終えた帰り際に、春美さんは、絶対家の人に知られ
ないように見てね、と意味深な言葉と共に一枚のCDを僕に渡す。
まさか、と思った僕が、夜自室で勉強しているフリをして再生して見たCDの内容はと
んでもない代物だった。

 チキンな僕は、その衝撃的なCDについて春美さんに電話して聞いてみる勇気もなく、
結局ほとんど寝付けずに机についたまま一夜を明かしてしまった。
万一母さんが夜食でも持って来たら、などとひどくドキドキしながら、どうしてもノー
トパソコンでその動画を見てしまい、春美さんが一体どういうつもりでこんなCDを残
していったのか疑心暗鬼に陥るばかりだった。

 「義姉さん、あのビデオは……」

 次の日、一見何もない風を装ってやはり黒スーツ姿でやって来た春美さんに、僕は開
口一番そう切り出した。とても勉強どころの話ではない。
だけど春美さんの答は初めにべもないものだた。

 「見てくれたのね」
「もちろんです」
「ゴメンね。でもまず勉強しなきゃ」
「……はい」

 そう答えるよりなかった。
春美さんが教えてくれる苦手な数学になんてとても集中出来そうになかったけれど、あ
る期待を胸に抱いた僕は、表面上大人しく勉強に励むフリをした。

 ーーあんなビデオを見せておいて、どういうつもりなんですか、義姉さん。だけど、
もしかして……

 昨日春美さんが置いて帰ったCDには、何とあのSM部屋で僕と義姉さんが子作りの
ためにプレイした生々しい映像が延々と録画されていた。
つまり盗撮されていたわけだ。
でも、なぜ? 盗撮なんかされた理由がわからないんだけど、それを春美さんが僕に見
せる理由はもっとわからない。

 そして上の空の勉強会が終わってから春美さんが打ち明けてくれたのは、とても信じ
られない事実だった。
いや、本当にそれが事実なのかどうかも疑わしい。

 「ゴメンね、あれは正則さんが盗撮させてたの」
「義姉さんも知ってたんですか?」
「もちろんよ。だからまず雄二くんに謝らないといけないわね」
「どうしてそんな事を……」

 「本当にごめんなさい。ねえ、雄二くん。この後は絶対誰にもしゃべらないでね。も
ちろんお義母様にも」
「母さん、買い物に出掛けたから、当分帰って来ないと思います」
「良かった。実はね、私達に子供が出来なかったのは、正則さんに生殖能力がないから
じゃないのよ。お義母様には、そう言って説明したけど」

 「え!? じゃあ、なんで……」
「本当はね、正則さんEDになっちゃったの。つまり、オチンチンが勃たなくなって」
「嘘でしょう、そんな! あの部屋に案内してもらった時、兄ちゃんは確かに勃起して
ました」

 「そうね。でも私とセックスはしなかったでしょ」
「それは、僕が義姉さんと……まさか……」
「正則さん、ちゃんと勃起はするのよ。だけど私とセックスする事は出来ない。そうい
う体になっちゃったの」
「そんな事ってあるんですか?」

 「わからないわ。きっと精神的なものだと思うの。なかなか子供が出来なくて、みん
なから子供はまだかとプレッシャーをかけられて……私としようとしたら、オチンチン
がしぼんじゃうの。どうやっても駄目なの、もう一年近く……恥を忍んでお医者さんに
診てもらっても、拉致は開かなかった」
「……それで、僕にあんな依頼を。でも、盗撮する意味がわかんないんですけど」

 兄ちゃんのEDを告白した春美さんは切れ長の目を伏せて綺麗なまつげを見せとても
寂しそうなので、僕まで悲しくなった。
だけどこの話は続けねばならない。
僕が仕方なく盗撮の理由を問いただすと、春美さんがオズオズと目を上げ、その瞳に妖
しい光が見えてドキッとした。

 「あのお部屋で、初めて雄二くんとしちゃった日の事、覚えてる?」
「はい、よく覚えてます」
「あの時、正則さん、自分でして、精子も出したわよね」
「え? はい、みんなで一発抜いておこう、とか言って」

 そうだ。その後で木馬に乗せられた春美さんと、初めて僕はバックから繋がったんだ。
でも兄ちゃんは初めにオナニーで射精した後、春美さんにペニスを使っていなかった。
一寸不思議に思ったんだけど、精神的EDなのだとすれば合点がいった。 

 「私はクタクタだったけど、あの夜正則さんに抱かれたの」
「兄ちゃん、出来ないんじゃ」
「正則さん凄く興奮してて、もしかしたらって有無を言わさず押し倒された。そしたら、
いくらやっても駄目だったのに、うまくいったのよ」

 「どういう事ですか」
「私が雄二くんに犯されてるのを見て、正則さんはEDが治ったの。でも、次の日は駄
目だった。だから、本当に申し訳ないんだけど、雄二くんとのプレイを盗撮させて貰っ
て、それを見ながら正則さんとするようにした。あの人、そういう趣味だったの。困っ
た人よね」

 ーー兄ちゃんは義姉さんが他人とヤってるのを見て興奮する変態だったのか! あり
得ねえ……でも、もしかしたら……

 「そんなの、僕に知らせないでも良いんじゃないですか? 義姉さん妊娠出来たんだ
し。兄ちゃんがそういう趣味だってのも、僕としては複雑なんですけど」
「そうね、もちろん正則さんにも黙ってるわ。私の判断で、雄二くんに打ち明けてるの
よ」

 「いいんですか? 兄ちゃんに申し訳ない気が」
「良く聞いて。このお腹の子も、本当はどっちの子かわからないのよ」
「あ……」

 「それに、正則さん、あれ以来私に指一本触れようとしないわ」
「それは、子供が出来たわけですから」
「まだ、お腹が大きくなったわけじゃないのよ。私って、子供を産む機械なのかしら?」

 相変わらず春美さんは寂しそうで、決して兄ちゃんを責めようと言う口調ではなかっ
た。
兄ちゃんと仲が良い僕も、少しホッとして話を続ける。
兄夫婦の仲が壊れるなんて事になったら、いたたまれないなんてもんじゃなかっただろ
う。

 「いやだから、春美さんの体を大事にしないと。特にSMプレイなんてヤばいんじゃ」
「そうね、わかってるのよ、私だって。だけど、子供が生まれて、その後も抱いてくれ
なかったら? 抱きたくても出来ないかも知れないし」

 「それこそ、あの部屋で」
「SMプレイ?……確かにこの一年は、そうやって正則さんに愛して貰ったわ。セック
スは出来なくても」
「だったら」
「雄二くんに抱かれるまでは、それで良かったの」
「義姉さん」

 一言一言搾り出すような春美さんの告白が、まさかの方向に向かっているのを感じた
僕は動揺し、彼女に呼びかけて言葉を遮った。
そうして無言で見つめ合う事しばし、そのわずかな時間の間に僕は心を固めていた。

 ーー何を怖じ気付いてるんだ。これこそ、僕の望んだ事じゃないか

 「私、正則さんを愛してるわ。その気持ちには全く揺るぎはありません」
「それを聞いて、僕も安心しました」
「だけど、イヤなの。もう一生男の人に抱いてもらえないなんて、イヤ……本物のオチ
ンチンじゃなきゃ、イヤ」

 「義姉さん!」
「雄二くんが、イケないのよ。雄二くんのオチンチンが、あんなに気持ち良くなかった
ら……お願い、ご主人様と呼ばせて……」
じりじりと距離を詰めて来ていた春美さんをしっかりと抱き寄せた僕は、乱暴に唇を奪
って押し倒す。

 ーーバレたって構うもんか。兄ちゃんだって……

 妻を寝取らせて興奮してしまう変態なんだ、兄ちゃんは。
だけど僕自身も、今度は兄ちゃんの承認なしで、勝手に春美さんを寝取ってしまう事で、
アドレナリンが沸騰し全身の血が逆流するような凄まじい興奮に包まれるのを感じて
いた。

 やっぱり僕達は仲の良い兄弟で、SM好き、寝取り好きと言う、女性に関する変態性
癖まで一緒なのだった。 

~おしまい~

               
    この作品は「新・SM小説書庫2」管理人様から投稿していただきました。