『淫獄の教室』

                          二次元世界の調教師:作
 
第6話 女教師脅迫計画の挫折


 もう時刻は7時を回っており、校舎にはほとんど人が残っていないようだったが、仕
事熱心な明日香はいつも夜遅くまで残業している筈だ。
もっとも今日ばかりは仕事どころではなく、一人で悶々と疼き上がる体を慰めているか
も知れない。

 何しろ同じ2アンプルの強力媚薬を飲んでしまった静香は、はしたない事にずっとミ
ニスカの中に手を入れて○ンコを弄るのがやめられないでいるのだから。

 ーーへへへ、自分でしなくてもいいんだぜ、明日香先生。ヤリたい盛りの高校生が輪
姦(まわ)して腰が抜けるまでかわいがってやるからよ

 呑気にそんな妄想を逞しくして痛い程股間をいきり勃たせていた俺だったが、明日香
はやはりそんなにヤワな相手ではなかったのである。
ほとんど無人の校舎で一箇所だけ煌々と灯りが点っている明日香の部屋を訪ねた俺達は、
ひどく驚いた様子でギクッと表情を強張らせた明日香を見てあらぬ想像をしてしまう。

 色白な顔は妙に赤らんでいたし、仕事に集中出来ず、アソコを弄っていたのではない
か、と。手強い相手であるのはわかっていたのに、完全に油断していた事を認めざるを
得ない。

 「ど、どうしたの、あなた達。こんな遅くに」
「いや、実は面白い物を見つけちまったんだよな。コレ、見てくれよ」
すっかりぬるま湯気分だった俺が代表でケイタイの画面を開き、オナニーの盗撮動画で
脅迫してやろうと迫ると、明日香の反応は全く予想外の素早いものだった。

 とても媚薬で発情し、何度もトイレに駆け込んで激しく指を使っていた女とは思えな
かった。
「何考えてるのっ! アンタ達っ!」
「いてっっ!! や、やめろおっっ!!」

 サボって学校をフケようとしていた所で腕を決められて、皆の前でギブアップしてし
まう恥を晒してしまった時と同じだった。
いや、画面のオナニー女が自分である事を確認した瞬間に激怒した様子の明日香は更に
容赦がなく、いきなり掴み掛かられあっと言う間に腕の関節を決められた俺は、ケイタ
イを取り落とし凄まじい痛みに呻いていたのである。

 「今日と言う今日は手加減しないからね」
「な、何だとお!」
「腕をへし折ってあげようか?」
「んな事して、タダですむと思ってんのかよ! お、お前ら、下がってろ。コイツ、や
ばいぜ、本気だ」

 実にマズい状況だった。
完璧に関節技を決めた明日香の力は尋常でなく、俺の本能が早くギブアップしろ、と警
告を発している。
マジで冷や汗をかき骨折の恐怖に晒された俺の様子を察して、他の連中も凍り付いたよ
うに動けないでいた。

 下手に皆で明日香に襲い掛かろうものなら、間違いなくリーダーである俺の腕は限界
を超えてへし折られてしまうに違いない。
情けない事に俺自身がその恐怖で、下がってろ、と言ってしまったのだ。これでは勝ち
目はない。

 だが俺は精一杯強がりを見せて、明日香と交渉を試みた。
「オ、オイ。生徒をケガさせたら、どうなるかわかってんだろうな」
「バカな事言うもんじゃないわ。これは正当防衛よ」
「過剰防衛だぜ!」
「よっぽど腕を折って欲しいみたいね」

 「ま、待て! 話し合おうじゃないか」
「何を話し合おうって言うのよ!」
「いや、だから……アンタだってマズイだろ。あんな写真がバラまかれたりしたら」

 俺は情けないが良い所の若奥様風の美人とは思えぬ怪力で腕を折られる恐怖で冷や汗
をかきながら、何とか交渉に持ち込もうとしたのだが、残念ながら逆効果だったようで、
明日香は更にきつく腕を締め上げながら勝ち誇ったように言う。

 「それは立派な脅迫ね。女子トイレを盗撮しただけじゃなく、それを元に仮にも教師
であるこの私を脅そうとするなんて、絶対許しちゃおけないわ。かわいそうだけど、警
察のお世話になって貰おうかしら」

 ーーゲ! マジかよ、畜生……

 抵抗どころか少しでも余計に動こうものなら腕を折られそうで身動きも取れない俺は、
本気らしい明日香の口ぶりに又違う意味での冷や汗がドッと流れ出すのを感じていた。
悔しいがコイツの言う通りである。

 良く考えればこのまま公にされてマズイのは俺達の方だ。
教師がトイレでオナっても犯罪ではないが、盗撮して脅迫しようとしたのだから警察沙
汰になったらヤバイ。

 俺だって不良ぶってるが高卒の資格は欲しいし、一生ボンクラで過ごすつもりなどな
いのだ。
と、ここで凍り付いて話を聞いていた正夫が動いた。

 ーーば、バカ! 下手に動いたら、俺の腕がお陀仏になっちまう

 が、正夫は明日香に抗おうとしたのではなく、反対にその場に土下座したのだ。
「先生、すみませんでした。反省して二度とこんな事はしませんから、警察だけは勘弁
して下さい」

 正夫は小心者だ。それに学校の勉強は出来ないが頭も悪くない。
協力してくれてた親父さんの手前、ここで下手をこくわけにはいかない事もあるだろう。
状況が圧倒的に不利な事を悟り、最悪の事態を回避しようと一旦頭を下げたのだ。

 「ふうん、安原君は自分のした事が良くわかってるようね。他の人は?」
「は、はい、ごめんなさい」
「悪かったよ」
「わかった。わかったから、手え放してくれよ」

 愚鈍な光義はとりあえずと言う感じで、静香はふて腐れながら、それぞれ謝罪を口に
する。
そして俺も仕方なく許しを乞うよりなかった。
だが明日香はもちろん簡単に許してくれるわけはなかった。

 俺達みたいな不良が簡単に心を入れ替えるわけがなく、謝罪や反省の言葉を真に受け
てしまうようでは、こんな底辺校ではやっていけない。
それがわかっている明日香は、抜け目がなかった。

 「じゃあ全員ケイタイは没収。それから盗み撮りに使ったカメラも渡すのよ。それま
で佐塚君を逃がすわけにはいかないわね」
この部屋に来るまでのぬるま湯気分が一変、皆バツが悪そうにうなだれながら、大人し
くケイタイと盗撮カメラを差し出す。

 明日香はわざわざ全部盗撮動画データが記録されているのを確かめてから言った。
「やっぱりね。これで全員盗撮と脅迫の共犯よ。警察に突き出せば立派な犯罪の証拠に
なるわ。もう他にデータは残ってないでしょうね、佐塚君」
「ああ。今日撮ったんだ、そんなヒマはない」

 「全く。私も生徒を犯罪者にしたくはないから、今日の所は黙っといてあげるけど、
次はないからね。ちょっとでもおかしなマネをしたら、迷わず警察に通告するわ。わか
った?」

 俺達は皆とりあえず、再度明日香に頭を下げると、しぶしぶ二度としません、と誓っ
て見せた。
今日は完敗だ。
だが、謝罪しながら俺は心の中でうそぶいていたのである。

 ーーへっ! 甘いんだよ。今度はヘマしねえように、良く考えてから脅してやるから
な。覚えてろよ……

 やはり学校の先生と言うのは生徒に甘い所がある。
それは職業柄仕方ないのだろうが、おかげで俺はすぐさま報復に掛かる事を考えていた。
明日香が全く気付いていない切り札を、俺達は隠し持っているのである。

 それは学級委員で明日香の信頼も厚い石田沙代の存在である。
実は完全に俺達の性奴隷に堕ちているアイツをうまく使えば、今度こそ明日香に目にも
のを見せてやる事が出来るに違いない。

 ほうほうの体でようやく明日香から解放され、学校を去り際に俺は皆に言った。
「てめえら、まさかこれでもう大人しくしてるつもりはねえだろうな」
「え!? ヤベえっすよ。今度はマジで大怪我するかも」
「まだやんのお? アタシ、もう引きたいんだけど」
小心者の正夫を初め他の連中はしかし、明日香にビビってあまり乗り気ではないようだ
った。

 だが、一番危ない目にあった俺が報復するつもりなのだから、有無を言わせるつもり
はない。
俺は明日香に捕まっている時から頭の中で考えていた報復策を説明し、明日は土曜で休
日だが学校に集まれ、と半ば強制的に命令した。

 ーーこのままおちおち黙ってられるもんか!

 そう、俺はすぐさま明日、改良した策略を実行するつもりだった。
明日香も俺達がしばらくは大人しくしてるだろうとたかを括っているに違いない。
それに完璧に煮え湯を飲まされ屈辱を味わわされて、このまま何もしないではとても我
慢が出来なかったのだ。

 嫌がる連中を説得して明朝集まる事を約束させて別れると、俺はさっそく切り札の沙
代に電話を入れて、ある命令を下しやはり明日早く来るように言った。
明日香は知らない筈だ。
あの恥ずかしい盗撮動画のデータがまだ残っている事を。

 それは、学級委員だが今や俺達の命じるままに動く奴隷娘沙代のケイタイに録画され
ているのである。
こうして一抹の不安は抱えながらも、今度こそはの期待を込めて、俺は明日の朝を待っ
たのだった。